Sly & The Family Stone : Small Talk
ARTIST / Sly & The Family Stone
TITLE / Small Talk
LABEL / epic
DATE / 1974/2007
TITLE / Small Talk
LABEL / epic
DATE / 1974/2007
1334。7th。ベストを含めれば8枚目。epic在籍時Sly & The Family Stoneがよかったころの最後の盤とされる。1975年にはThe Family Stoneが解散し、Slyはソロへと向かうわけだが、そのぱっとしなさが尋常じゃなかったようだ。いくら後半そのワンマンぶりが目立ったとはいえ、いかに周囲の人々が彼らを支えていたかがわかる。ジャケを見ればわかるように、そんなワンマンSlyも結婚し、子どもが生まれたようで、革命やら暴動やらは影を潜めている(しかし結婚生活は5ヶ月しか続かなかったという)。新生し、すぐに衰退していくというのはドラッグの後遺症なのだろうか。しかし少なくとも本作でもやはり濃密な名曲がずらっと並び、僕を感動させるには十全である。まだまだファンク性は強烈で当てられそうなグルーブを放っているし、見事に構築されたギター、ベース、ブラス、コーラスそしてボーカルといった各パートの調和も素敵である。新生したの後の明るさ、陽気さも保存しているように感じるし。やたらとメロウな曲が増えたようにも思う。しかしこのバンドがしっかりとした、そしてほぼ最高点であるファンクネスを示したことで、後続のブラック系の音楽は方向が定まったといえるかもしれない。Stevie Wonderでさえそうだろう。現代最高峰のブラック系作家といわれるD'Angelo、そして彼が影響を受けた天才Princeでさえそうだろう。これまで紹介したSly & The Family Stoneの7枚はすべてが聴く価値のある優れたものであり、ミュージシャンたちが自分たちの全盛期を利用しつくした濃密な作品群である。すべての人々が、できるだけ早く、そして何よりも適切な時期に、The Sly & The Family Stoneにコミットすることをせつに願う。