Brise-Glace : When In Vanitas…
ARTIST / Brise-Glace
TITLE / When In Vanitas…
LABEL / skin graft records
DATE / 1994
TITLE / When In Vanitas…
LABEL / skin graft records
DATE / 1994
1336。skin graftに残されたゴージャスな前衛作品。唯一のフルです。もしかすると短期間のプロジェクトだったのかもしれません。Brise-GlaceはThis Heatをアイドルとする実験音楽実践集団です。その時点でかなりキワモノですが、メンバーがすごい。You Fantastic!(参考:1)のメンバ2人Darin Gray(ベース)とThymme Jones(ドラム)(GrayはDazzling Killmenのメンバといったほうが通りが良いかもしれない)、The Flying LuttenbachersのDylan Posa(ギター)、そしてわれらがJim O'Rourke(ギター、テープ、オルガン、ミックス)。さらに裏方はSteve Albiniがびしっとつとめていらっしゃいます。この頃はもちろんGastr Del Solが活動していた90年代を語る上で欠かせない時期なのですが、その裏でThis Heat音楽を蘇らせようとする呪術的な試みがあったわけです。本作に色濃く反映されているのは、悪魔的にささくれだったThis Heat的な灼熱であり、緊張であり、彼らに対する少年たちのようなきらきらした憧れである。ラストM5ではさらに同志を集めて24分にも及ぶ大曲である。そこではフリー文脈のGene Coleman(クラリネット)やHenry Kaiser(ギター)、さらにはDavid Grubbs(オルガン)やドイツのノイズ実験ユニットH.N.A.S.のChristoph Heemann(テープ)まで招致され、濃密過ぎる音を捻出している。所々であらわれるCharles HaywardライクなドラムプレイやThis Heat的なテープ使いににまにましながら過去の偉大なる音楽へとコミットしようとする若者のかっこよさに興奮するのです。素敵な盤ですよね。