The Shaggs : Philosophy Of The World
ARTIST / The Shaggs
TITLE / Philosophy Of The World
LABEL / third world records / red rooster records / lost house archive club
DATE / 1969/1980/2007
TITLE / Philosophy Of The World
LABEL / third world records / red rooster records / lost house archive club
DATE / 1969/1980/2007
1293。オリジナルがジリでリリースされたのは200枚限定。Dorothy(リードギター、ボーカル)、Betty(リズムギター、ボーカル)、Helen(ドラム)という姉妹が作り出す、ないしは作り出させられる奇怪すぎる音楽。というか単にへたくそでしたかい演奏。ぐずぐずと音楽「らしき」ものをプレイしながら模索し、プロデューサである父の親馬鹿なのかなんなのかわからない目線上でこいつらはともかく自由に奏でる。まさにフリーダム。この微妙な弛緩状態のなかで見出されるのは天才Zappaをも虜にした旋律である。非常にプリミティブなかたちで現出するそれこそ、もしかしたら常にZappaが意識していたものではないだろうか(といいつつ、Zappa先生がどこで彼女たちに言及しているのか、その原典を探しています。誰か教えてください)。それにしても不快になるほど終わっている盤である。正直何度も聴きたいとは思わない、はずである。しかし、奇怪なことに、この盤には「細部」があるのである。「細部」のある盤はリスナーに鋭敏な耳を要求する。そしてそのような盤は、僕の関心を引かないではいない。適当というにはあまりにも絶妙にずらされたリズム達、ボーカルは上ずり、すべてが不調和に混ぜられている。そのずれに「細部」が生まれているのは言うまでもない。この盤はきわめて参加型の盤なのである。それゆえ物好きな音楽家たちはこの盤を創造的に聴き込む作業を通じて、何かを掴み取り、賞賛を送ったのだ。この盤が素敵と思うには、そこそこ頭がおかしくないといけないし、何よりも創造的でなければならない。自分を試すと思って、この盤を聴いてみて欲しい。俺達を舐めるな、という君は正しい。革命だ、という君は創造的に馬鹿だ。とにもかくにも聴いてください。