From Within : S/T
ARTIST / From Within
TITLE / S/T
LABEL / fax +49-69/450464/ambient world(fax +49-69/450464)/m_nus
DATE / 1994/1995/2000
TITLE / S/T
LABEL / fax +49-69/450464/ambient world(fax +49-69/450464)/m_nus
DATE / 1994/1995/2000
1221。コレクター泣かせのレーベルというのはかなり多いですが、そのカタログのほとんどが限定生産であるとき、われわれは発狂する。そういうレーベルには手を出さないのが無難である。fax +49-69/450464はその中でもかなり悪質なレーベルだといえる。Pete NamlookことPeter Kuhlmannによって1992年から運営されており、自身の作品を中心としたpk(Peter Kuhlmann)シリーズ、それ以外の主としてドイツ出身の作家の盤をリリースするps(Peter's sublabel)シリーズ、そしてより国際的な作家の盤をリリースするpw(Peter's worldlabel)シリーズという3本柱で展開している。これらはすべて限定生産であるが、その盤をジャケやトラック内容を変更してリイシューするaw(ambient world)シリーズも存在する。リイシューされるものは、当然リスナーからのレスポンスがよかったものだと思われる。そして生産制限がないので入手は比較的たやすい。今回紹介する盤は最初pwシリーズとしてリリースされ、その後amに加わった1枚である。僕が買ったのはもちろんカタ番にawがつくものである。鋭い人は2000年にm_nusがライセンスを取っていることに気付くだろう。From Withinとは首領のPete Namlockと我らがRichie Hawtinによるコラボ。はっきり名作である。折しもF.U.S.E.名義によってA.I.シリーズに名を刻んだRichie(参考:1)が翌年にアンビエント・ミュージックに彼のうねりの色彩を刻み込んでいったというのは興味深い。結局2人のコラボによって3枚の作品が制作されたというのもその一歩目である本作がいかに評価が高かったかを示唆しているのではないか。全体を包みこむ音の波と、それに線描を書き込んでいくRichieの筆遣いが見事に調和し、名作を明かしている。一応ことわっておくと、アンビエントといってもBrian EnoのようなそれではないことはRichieという文脈を読む必要があります。なにはともあれ名盤でしょうね。