David Grubbs : Two Soundtracks For Angela Bulloch
ARTIST / David Grubbs
TITLE / Two Soundtracks For Angela Bulloch
LABEL / semishigure(bottrop-boy)
DATE / 2005
TITLE / Two Soundtracks For Angela Bulloch
LABEL / semishigure(bottrop-boy)
DATE / 2005
1069。綺麗なジャケです。この盤はAngela Bullochというイギリスの映像作家の作品にインスパイアーされて製作された2曲20分強の作品で、ジャケもAngela Bullochの作品を撮影したものとなっている。David Grubbsというのはこういうややインテリで芸術肌を自負している感があって、その辺がどうも一般へと拡張する意志のなさを感じるところな気がする。好きな一面でもあるし、残念な一面でもある。Angela Bullochが作品を制作する際に感銘を受けたというアントニオーニの邦題『砂丘』の音源も動員しながら作成されたサウンド・コラージュである本作は、Grubbsのアコギへの愛情も加味しながら当然実験的な様相を呈しているわけです。この人が今後どのように自身の位置を定位していくのかが気になる人もたくさんいると思いますし、また明快なポピュラー音楽の市場へと帰ってきて欲しいという欲望も少なからず強いのではないでしょうか。人は常に変化し続ける。神話的な回帰によってモードが語られるとき、常に個人の歴史は期待の内に含まれる。未だ現れぬ想像された最上よりも、過去の確かに存在した部分へ。それは諦めでも郷愁でもなく、たしかに選び取られるべきかたちなのだと思う。ちなみにsemishigureは電子系の有名作家を抱えるbottrop-boyの下部レーベルであり、この盤のように視覚芸術と接合される音楽を目論んでいるようです