V.A : New Waves
ARTIST / V.A
TITLE / New Waves
LABEL / family recordings
DATE / 2005
TITLE / New Waves
LABEL / family recordings
DATE / 2005
1057。まさにニューウェーブ・リヴァイバルだった数年前にリリースされたコンピ。78年から82年という時期に絞って集められた音源たるや45曲で、当然2枚組みという大ヴォリューム。メジャーマイナーない交ぜに当時を概観するにはぴったりの1枚となっている。さすがに量が多いので、名前だけであってもいくばくかは知っているところをピックアップ。Ian Dury。Elvis Costello。Bow Wow Wow。The Jam。Buzzcocks。The Flying Lizards。The Police。The B-52s。Squeeze。Joe Jackson。Blondie。Adam & The Ants。The Cure。The Buggles。Soft Cell。M。Sham 69などなど。かなり少ない。誰もが一度はテレビなどで聴いたことがあるだろうThe BugglesやMなどの曲をしっかり聴くと、やはりかなり倒錯しているのがわかる。Sham 69もたぶんどこかしらで聴いた子とあるに違いない。ニューウェーブといっても所詮は時代性に過ぎず、音楽性の特徴をあげつらうことはできないのだが、時代の幕開けに付随する新しい技術の導入、搾取の変奏である世界音楽的考えかたなどなどは指摘できるだろう。Bow Wow Wowなんかはかなりフル盤への欲望を駆り立てる。おそらく僕の後追いで浅薄な知識では上述した作家しか上げられないけれども、おそらくこの盤の曲すべてはイギリスなどでは多様な層で分かれているだろうが、懐メロとして流布しているということが想像される。全体的に奇妙で、しかし力のある曲が並んでおり、よくも悪くも90年代はこの人たちの肩の上で成り立っているのであり、それはミレニアムにいたっても例外なく繰り返される。新しい奇抜さというのはこの時期以降は登場していないように思う。その意味ではやはりオリジナルな、そしてぎこちない奇抜さとしてこの時期を定位するのはあながち間違っていないようにも思う。倒すべきものが不在であるとき、自分の尻尾を駆り立てるためになれない道具で武装する勇猛な戦士たちの実践がここに刻まれている。コンピとしての奇抜さがないので残念だが、僕のようにとりあえずな人にはうってつけの盤である。