Nina Nastasia : Dogs
ARTIST / Nina Nastasia
TITLE / Dogs
LABEL / socialist/touch & go
DATE / 2000/2004
TITLE / Dogs
LABEL / socialist/touch & go
DATE / 2000/2004
1016。過去に1枚レビューしているnina Nastasiaです(参考:1)。この盤は彼女がtouch & goに移籍してリイシューされたものだろう。すなわち1stです。この人も2000年代の作家だったという認識は、なんだかなぁといろいろな観点で自分の老いを痛感させられる。詳しくは申しませんが。Albiniが録音を地元で、マスタリングをアビーロードでやっていますから、ベースもストリングスもボーカルに沿ったかたちでふさわしく生マテリアル化されています。M1からなかなかコード感丸出しの凡庸な楽曲で勝負してきますが、その後はなかなか素敵です。Nina Nastasiaの尋常じゃないほどクリアな歌声は引っ掛かりがなさ過ぎて少し怖いです。丁寧に作りこまれているというよりいも、いい具合に抜けているフォークを貴重に、なんとなくボニー・ピンクを想起させる語り口でよい曲を聞かせてくれる。最近、あんなに好きだったストリングスがどうしても耳について仕方ないという嗜好の変化があったのだが、この盤で合いの手のごとく挿入されるヴァイオリンやチェロはそれほど気にならない。1stであると考えると、この人の音楽世界の構築はすでにこの盤で十全に達成されていたと考えることができると思う。抜群の内容のよさであり、聴く価値は果てしなく広大に広がっていると思われる。買え。