Miwon : Pale Glitter
ARTIST / Miwon
TITLE / Pale Glitter
LABEL / city centre offices
DATE / 2006
TITLE / Pale Glitter
LABEL / city centre offices
DATE / 2006
1042。このブログで意外にも取り上げられることが少ない優良レーベルの一つがcity centre officesだと思う。この盤でやっと2枚目だから相当である。どう考えても僕が紹介するu-cover、merckなどの領域と重なるレーベルなのだが購入する機会に恵まれないのである。少し前は人気があったのか中古も値段設定が高めだったということもあるし、最近ではこの分野がマンネリ化していることから盤自体があまり流通していないのではないかと想像したりしている。さてHendrik KrözによるMiwonの盤。盤が昨今のオブラートに包まれた感傷性を代弁しているな。決して嫌いなテクスチャではないのだが、このような質感が好きという人間はそのアビリティで自身を塗りたくるのでかなり嫌いである。そういう人間とはウンコの話ができない。僕の会話の80パーセントはウンコという思想で形成されているにもかかわらず、だ。それはさておき、Miwonは決定力には欠けるものの、素敵な小品を寄せ集めて見事な1枚を作り上げている。ジャケに現れる甘酸っぱい感傷性が全体に浸透しているわけでなあく、太いビートがしっかりと便所でとぐろを巻いていることもあるし、トリッキーなビートも創り出している。ボーカルを採用するとき、概してエレポの感傷性が入り込んで夢見心地を演出する傾向にあるようだ。決してそれを否定するわけではないが。しかし以上のように書いてみて、どうも盤に一貫性がかけるように感じられるかもしれない。多様性といえばそれまでだが、アルバムという単位を作品としてとらえたとき、メディアによって規定される形式というものもあるわけだから、その多様性が評価されるかどうかは微妙なところだろう。各曲のクオリティはいうまでもなく高いので安心して買うことができるが、趣味に永続的な爪あとを残すほどのヒロイックさはない。