Ilkae : Bovine Rearrangement
ARTIST / Ilkae
TITLE / Bovine Rearrangement
LABEL / merck
DATE / 2004
TITLE / Bovine Rearrangement
LABEL / merck
DATE / 2004
もはや活動休止してしまったmerck。その代表的作家のひとりでもあるのがIlkae。コンピのIlkaeの叙情性の高さに感服したので公式盤を買おうと考えており、運良く見つけたので飛びついたのだが、よくよく確認してみると、リミックス盤でした。なので純正Ilkaeではない。基本的に、Machine Drum(参考:1)、Proswell(参考:1)をはじめとしたmerckの同胞たちが中心に参加しているが、Kettel、Tim Koch、mush系のDaedelus、morr系のISAN、planet-mu系日本人Joseph Nothingといった外部からの参加も多く、開かれたレーベルとしてmerckがその地位を確保していることがうかがえる。もともとのIlkaeが聴きたいという僕の意図とは異なるけれども、なかなか面白いリミックス盤であることはたしかである。コンピの収められた1曲から得たIlkae像は軽々と塗り替えられていく。というのはリミックス盤であるからというわけではなくて、リミックスされた音の骨格から帰結されることだ。なんとも陽気であり、そして幅の広いメロディのブシを持っているように感じられる。ますますオリジナルの作品集が聴きたくなった。個人的に白眉なのはmonotonikを中心に活動するVim!という人のリミックである。端的に言えば、ゲーム音楽風リミックなのであるが、技量が半端でない。そのゲーム音楽も様々なゲームをミックスしてつないでいる感じである。それぞれの断片に十分な風格があり、まるまる1枚作って欲しいと思わせるできである。この曲は面白かったので何回か聴きました。あとは誰かいまいちよくわからないCarrier Twoによる広がりのあるドラマチックなIDMリミックス。まあ非常にレベルの高いリミックス集といえます。もちろんすでに事後的にmerckを称揚しても虚しさが響くだけなのかもしれないな。いつものように1000枚限定。何度も言いますがmerckはどんどん手に入りにくくなっていきますから、気になるならば手に入る今のうちに買っておきましょう。