Bang On A Can : Renegade Heaven
ARTIST / Bang On A Can
TITLE / Renegade Heaven
LABEL / cantaloupe music
DATE / 2000
TITLE / Renegade Heaven
LABEL / cantaloupe music
DATE / 2000
今、個人的にも、一部の世間においても、かなり注目のcantaloupe music。ミーハーな僕は、もちろん市場を軽めににぎわせたAlarm Will SoundによるAphex Twinの人力カバー(参考:1)に面白さを感じたわけです。そんなcantaloupeのカタログからまた1枚レビューしましょう。Steve Reichの'Four Organs'や'Eight Lines'もそつなくこなし、アンビエント音楽の傑作Brian Enoの"Music For Airport"を人力カバーするという盲点を突いてくるストリングスを中心とする集団となっています。というか"Music For Airport"をアコースティックにやってみようというのは本当に素敵な着想だと思うのだがどうだろう。Terry Rileyの"In C"なんかも基本としておさえています。そんなBang On A Canはニューヨークのミニマル・ミュージック第三世代とも呼ばれているようで、注目度も高い。かなりの演奏力の高さと、遊び心によってポピュラー音楽に風穴をあけます。この盤に収録されている5曲はそれぞれ個性的な作曲家です。atavisticが積極的なリイシューを行っている70年代ノーウェーブ畑Glenn Branca、Arnold Dreyblatt(参考:1)、Bang On A Canを設立したMichael Gordon、こちらもノーウェーブ畑の80年代に活動したThe Del-ByzanteensのメンバPhil Kline、そして別のBang On A Canの設立者である女性音楽家Julia Wolfe。自分たちのなかから、そして純然たるミニマル・ミュージックの極北から、そしてノーウェーブの文脈から。なんてこったいの密度である。ひりひりする演奏によって展開する洗練された音楽。どうしようもなく疾走感に溢れ、演奏者たちのどや顔が浮かぶ。しかしその顔を見ても不快に思わないのは、ここには確実に新しい扉から漏れだしている質があるように思わせるからだろう。よろしい。恐るべしBang On A Canにわれわれの枯れた耳を。