Jandek : I Threw You Away
ARTIST / Jandek
TITLE / I Threw You Away
LABEL / corwood industries
DATE / 2002
TITLE / I Threw You Away
LABEL / corwood industries
DATE / 2002
Jandekという長年謎に包まれていた作家がここ2、3年でにわかに市場にも流れ始めたという事は彼がとうとうライブを敢行しはじめたということに由来するのかもしれない、そしてそれにあわせて長年廃盤だった盤のリイシューもはじめられ今では彼の音源はすべて手に入るという、70年代末からギター片手に続けられた宅録音源は50枚にも達しそうな勢いとか、もう達したのかどうかとかはその辺はわからないが、2006年には6枚もリリースしているから正直今がもっとも旺盛に活動している時期であるようにも思われる、本人と思われるような人物や町の様子を収めた統一された写真によるジャケットは妙に衝動的に購買する意欲を駆り立てる、関連して写真集でも発売されそうな勢いである、ちなみにこの盤の写真はアイルランドのものらしい、secretly canadianのアカペラを集めたコンピにも1曲収録されているのだが、その人気は他の作家のあいだでとりわけ人気が高いようである、BeckやThurston Mooreといったいかにもといった人々がJandekの名前を挙げているようだ、想像するにそのインディペンデントなスタンスが大きく共感を呼ぶからではないか、レーベルも彼自身のレーベルであり、それ以外はリリースしていないようだ、初めてシークレット・ライブをしたときにベースを担当したのがRichard Youngというところからも妙な人脈の広がりを感じさせてくれる、その過剰な隠遁主義は多くの人々の探究心を駆り立て、とうとう本人が一切登場しないドキュメンタリーが制作されたほどである、行きながらにして伝説というのはまさにJandekに相応しい、さてこの盤はJandekの32枚目の作品である、どのような振幅のもとこの盤にたどり着いたのかは定かでないが、アコギと風味程度のハーモニカ、そしてボーカルというJandekに典型的な作風といわれている感じはするがどうなんでしょうか、完全に調整を無視したチューニングだるだるのギターが響きの探求が実践されているように感じられるが深読みしすぎか、ボーカルは悲哀というよりも絶望に満ちたうめきに聞こえる、投げやりというには妙に声に伸びがあるのが不思議である、子どもが聞いたら泣くだろうな、大人の僕が聴いてもやや恐怖を感じます、というか盤のタイトルもすごいが、全5曲で10分を超える曲が2曲もあり全体的に長尺、つかまらないようにこちらから逃げ出してやりますよ