Cerberus Shoal : ...And Farewell To Hightide
ARTIST / Cerberus Shoal
TITLE / ...And Farewell To Hightide
LABEL / tree records/temporary residence limited
DATE / 1996/2002
TITLE / ...And Farewell To Hightide
LABEL / tree records/temporary residence limited
DATE / 1996/2002
アテネでのセッション音源をボーナスディスクとしてつけて、デジタルリマスターを施しリイシュー、これもあまり日をおかずにリイシューされているのにはわけがあるのでしょう、昨今の高評価が由来しているのかもしれない、ストリングスを虚空で響かせる方法論は日本でもRovoが行っている宇宙への意志を感じさせるが、ここではBPMが低めに設定されているので身体的トランスというよりは精神的な酩酊に近い感覚を与える、すなわちサイケデリックな雰囲気を持つ、声は強調もされず、貶められもしない、短くディレイをかけられたギターは自音で重なり合い、M2はマス・ロックのようなアンサンブルを捏造するがそれも悪くない方法論であると思う、ドラムがソリッドでりながら全体の音響効果により輪郭がぼやけているためにそれほど際立たないが下手するとポスト・ロックという冠が与えられておもおかしくはない実践である、96ならば段階としてはTortoiseの2ndの時期か、悪くないころあいだ、妙なメンバの多さと楽器の多彩さからはプログレ文脈からの流れを十分感じさせるが叙情を讃えたメロディセンスは90年代のそれであり心がうずく、全然知らないバンドだったが偉大なバンドがまだまだいるということはときに突きつけられる事実である、temporary residenceはその意味で非常に有意義に過去を見つめている数少ないレーベルだと再認識した、多分どうしようもないほどリイシューすべき名盤なんだろう