V.A : Grime 2
ARTIST / V.A
TITLE / Grime 2
LABEL / rephlex
DATE / 2004
TITLE / Grime 2
LABEL / rephlex
DATE / 2004
正直、グライムという現象はなんだったのか、単なる一過性のものとして消滅してしまったのか、新しい名前が与えられるとそれを自ら標榜するものが現れる場合、それは他のものを排除し自身の領域を確定しようとする、そこでは単純な二項対立(そうであるか、そうでないか)という幼児性に満ちた固形物となり流動性を失う、明確な思考的用語が主張するものとは異なり、ジャンルとは得てしてそういうものである、それは領域を確定しようという主権「経済」国家に似て、非常に下品で、無為で、糞で、終わっている、そのようなものとしてグライムが展開したのかはわからない、しかしグライムという標榜の露出は今はあまり行われない、その要素は標榜をよしとしない作家たちに取り込まれていったのかもしれない、イギリスが獲得しようとした新しいビートが強い我を要求し続けなかったのは、新しいものの誕生への意志の消滅という意味では残念ではあるが、しかし現在進行形のなかでビートとが捩れていくということは大いにありうる、それは完成したものとしての名前ではなく、まさに運動としての名前である、不明確性を利用した既得権の主張ではなく貪欲な自己増殖である、そう考えると、グライムという現象は真にメディアから解放され、自身を解体消化しているという可能性もある、数年後、イギリスが再びグライムという現象を標榜し始めるとき、そこには誰がいるのか、hyperdubを運営するKode9だろうか、DMZを共同運営するLoefahだろうか、同様にDMZに参画するCokiがメンバであるDigital Mystikzだろうか、この3組がこのコンピに参加している、まだレコードをリリースして日が浅いようだが現場で皿を回し続け、彼等はロンドンで新しい動きに反応した、さらにそれに反応したのがrephlexである、クラブという肥沃な場所において、何が起こっているのか、それとも何も起こっていないのか、それはそこにいってみないとわからないが、2ステップ、ジャングルといったものも含め、単なる一過性の流行に終わらない今世紀に相応しい何かが期待される