The Yellow Balloon : S/T
ARTIST / The Yellow Balloon
TITLE / S/T
LABEL / canterbury / sundazed music
DATE / 1967/1998
TITLE / S/T
LABEL / canterbury / sundazed music
DATE / 1967/1998
2122。過去盤レビュー。ソフトロック。日本から見て、比較的西のThe Beatlesと比較的東のThe Beach Boysは、やはり僕たちの双璧であった。The Beatlesからの展開は比較的伸び安いところだが、The Beach Boysの場合、いかにもな飛び石というのは、お洒落には伸びにくい。若者の魂を奮い立たせるには、下手したらちょっとかっこ悪いと思ってしまうのである。サーフィンって、キムタクもやってるし、お洒落なはずなんじゃないのって話なのだが、サーフ・ミュージックはパパパパばっかいてるし。でも、ボーカルによる響きへと着目し、コーラスへと特化していく中で醸成されていく音響空間というのは、ひとつきちんと着目しておかないといけない。伝統的なサーフの系譜のなかで、The Yellow Ballooは知ってる人は知ってるキチンとした位置づけを与えられている。それも90年代にCD化されてからの再評価なのではないか。あるいはその前にちょっとしたソフトロック再評価があったから。多分、渋谷系なんかと呼応しながら。Gary Zekleyなる人物を中心とする若手5人組が作り出したのは、まさにThe Beach Boysの綺麗な部分を丹念に練りこみ再現した音楽だった。まるでそっくりな旋律は、捨て曲もない。拍子を気持ちよく変えていく部分まで一緒。今聴いても、その音楽形式の古式めいた部分を空中分解さえすれば、十分耳をそよぐ部類である。本作を最後にThe Yellow Balloonは沈黙したのか、解散したのか何か知らないけど、そういう末路ってのは、別に不思議ではないけど、30年経てば、誰かのが拾い上げて、それを綺麗に位置づけてくれるんだ。それを信じて。信じるとは、未来を信じることだ