Stevie Wonder : At The Close Of A Century
ARTIST / Stevie Wonder
TITLE / At The Close Of A Century
LABEL / motown
DATE / 1999
TITLE / At The Close Of A Century
LABEL / motown
DATE / 1999
2114。4枚組み。高校時代の帰り道、中学も一緒だった同級生のT君と一緒に高槻センター街にあった小さなCDで買ったボックスセット。当時にしては結構な大金だったと思う。1万円はいかないにしても、8000円とかじゃなかったか。覚えてないや。「ちょっと、俺、Stevie Wonderとか聴くねん。これかおっかなぁ。結構高いけど、それぐらいの価値はあるしなぁ。俺、どうしよっかなぁ」などとしゃべりながら、心の中では「たけーよ、小遣い何ヶ月分やねん、まじ理性の俺、踏みとどまれ」と念じながら、お買い上げした思い出の1品である。Stevie Wonderでいきろうとする高校生の俺って一体なんなんだろうなぁ。天才少年として名声を欲しいままにしていた10代ぐらいの音源から始まり、3枚目には"Songs In The Key Of Life "の絶頂期も含めて、Stevie Wonderのキャリアを概観できるという意味では贅沢である。高かったけど。代表作とされる"Innervisions"はほとんどまるっと収録していて、ちょっとどうかなぁと思う部分もあるけど、コンパイルしたHarry Weingerという方もその価値があると判断したわけだから、すごい盤なんだろうなぁと思うわけ。20世紀も結構前に終わり、Stevieもラディカルな人間というよりも、美メロなバラードで鳴らすおじさんという感じになっている気もする。長生きするとそうなるね。声が伸びやかだなぁとか、映像見ても、ひりひりする興奮とか感じないという。60年代から始まり90年代に至るまで、30年間にわたり名声を獲得したところで、何が残るのか。挑戦し続ける意志なのか、安寧の老後か。僕みたいなノータリンには触れるどころか、かなたに離れた点としてさえ認識できない悩みである。1950年生まれのStevie Wonder。まだ63歳。わが両親と同い年。それはそれで驚愕。