Sonic Youth : Daydream Nation
ARTIST / Sonic Youth
TITLE / Daydream Nation
LABEL / enigma
DATE / 1988
TITLE / Daydream Nation
LABEL / enigma
DATE / 1988
[18-71]。過去盤レビュー。ただの傑作。僕も、本作を聴いてSonic Youthを確信し、その遠投としての影響は、学業にまで及んだ。大体5、6枚目ぐらい。インディー時代の最後を飾るとともに、その路線はポップスとしての射程を持つことによって、アメリカではその周辺がにわかにオルタナティブを準備したことになった。自分でも何を言っているか分からない。混乱している。それぐらい、僕の核心に刺さっている。M1の'Teen Age Riot'を聴けば、その疾走する方角が、僕たちの若年性を取り戻し、脳みそを痙攣させ、言葉は叫びを擬態し始める。一言で言えば「かっこいい」。これに尽きる。M2も良い。間奏のドラムがしびれる。全部若い。完成された、演出が聞きまくったユースである。ソニックなユースを見事に体現している盤である。小難しいことも、何も言わなくて良い。音響的な云々とかもどうでも良い。ギターのレイヤーへ耳を傾けても、そこには煩悶する意識が漂うだけである。極上の。極上のそれを耳に注ぎ込みながら、かっけーかっけーと朝の鳥のように息を上げるのだ。これほどまでにマクドナルドが似合わないポップネスはない。一周廻ったかっこよさなどはないのだ。だからSonic Youthが繰り出した本作は、Andy Waholではなく、Gerhard Richterなのである。Richterの"Kerze"(の連作かもしれない)をシカゴの現代美術館で見たとき、俺は都市は違えど、アメリカを感じた。それはThe Velvet Undergroundのアメリカでも、The Beach Boysのアメリカでも、Tortoiseのアメリカでもなく、紛れもなくSonic Youthのアメリカである。Sonic Youthへの憧憬は、白昼夢のように、ろうそくのように、しかし革新的に、僕を刺激し、僕は翻ってRichterへの敬愛を口似するようになる。僕はRicheterについての絵画論と写真論を書いた。その具体的な内容は忘れた。でも、Sonic Youthは鳴り続けている。まじで聴けよ。