His Name Is Alive : Stars On E.S.P.
ARTIST / His Name Is Alive
TITLE / Stars On E.S.P.
LABEL / 4AD
DATE / 1996
TITLE / Stars On E.S.P.
LABEL / 4AD
DATE / 1996
2120。myspace。過去盤レビュー。なぜ買ったのかも、どんな音像かもまったく覚えていない本作。多分、であるが、梅田丸ビルのタワーレコードにかつて設けられていたインディー盤紹介コーナーで魅力的なポップとともに置かれていたのではないだろうか。違うのだろうか。The Beatlesから全てが始まる自分の音楽遍歴において、どこに位置づけてよいのか流れの中で説明できない困難な1枚である。His Name Is Aliveは Warren Defeverを中心とするミシガンに出自を持つユニット。本作では、女性ボーカル Lovetta Pippenのボーカルがメインである。4ADからの4枚目。ニューヨークで60年代にフリージャズ関係でぐいぐいいわせたレーベルesp-diskに着想を得て、トラックがそれぞれそのカタログのなかの1曲であるかのようなコンセプトで作られている。多分トラックを星に見立てているのだろう。しかし作風はフリージャズなんかではない。esp-dsik設立当時はサイケ・フォークが主流だったようだ。よく知らんけど。聴き進めていくと、なるほど買った理由が分かってくる。これはThe Beach Boysにはまっていた頃にポップにだまされたんだなと。M8'Beech Boys'なんて、まんま'Good Vibration'の剽窃である。なるほどなかなか面白いことをするじゃないか。あとwikiによるとマイブラなんかを引き合いに出して語られるんだと。音響空間としては、リバーブでそれっぽく仕上げているだけで、残響の連なりなんて微塵もないけど、マイブラの見過ごされがちなポップネスは確か似に香らないことはない。つまり本作は、My Bloody ValentineとThe Beach Boysの競演なのである。なんて魅力的なんでしょう。90年代のインディーバンド、しかもシーンを形成したわけではないインディーバンドとしては、珍しく現在も活動しているように見えるHis Name Is Alive。根強いファンがいてもおかしくない丁寧な作りに好感が持てる。本作、変奏される'Home'はなかなか印象的なフレーズで、ネオなフォークとしては面白い。ただ変なアレンジが付属してるけど。良い曲かけるんだから、その可能性を愚直に追求していれば良かったのにね。聴いても損したとは思わない程度に良い盤です。我ながら意外でした。