George Harrison : Brainwashed
ARTIST / George Harrison
TITLE / Brainwashed
LABEL / parlophone records
DATE / 2002
TITLE / Brainwashed
LABEL / parlophone records
DATE / 2002
2131。以前紹介した盤" All Things Must Pass"。死後1年ほどたってリリースされた11枚目。スタジオ盤としては遺作か。息子のDhani Harrisonも絡ませるあたりが、痛い親の典型。もちろん息子とともに共同プロデをつとまたJeff Lynneもいるし、それゆえサウンドにはJeffっぽい手ほどきが施されている。内容はそれほど鋭敏ではないけど、やっぱり遺作ということで、多少の色眼鏡が入ることによって、なんだか切なく響くんだから不思議だ。亡霊を思い通りの手術によって生き返らせるという豪腕をやってのけたJeffがいなければ本作は成立しなかったろうしDhaniがいなければ、親父の執念を仮構化してプロモーションされることもなかったに違いない。事実は知らないけど。それほど本作は死の香りが、サウンドメイキングにおけるGeorgeの不在によって際立ってくる。恐ろしい1枚である。なんて勝手なことを言ってるけど、やっぱりこれはただのJeffの仕事だと思っちゃうよ。George一流のスライドギターがさしはさまれると、ちょっと浮いて聴こえる、なんてことはないけど、でもちょっと雰囲気が変わってしまう。Georgeらしさが本作のよさをぶち壊すんだ。ファンにはぶち切れられそうだな。何も分かってないから安心してください。癌に苦しめられて、ほがらかに歌うPaulを尻目にさっさとフェードアウトしてしまったGeorgeがThe Beatles内順位で、相対的に幸福だったのか、僕には怖くて問うことはできない。とまれ、本作によって最後の最後まで花道を作ってもらったわけだから悪くない部分もあったのかな。親父としては痛いけど。全部の与件を取っ払えば、本作はかなり良いできであることは、キチンと付記しておく必要があります。あしからず。