Electric Light Orchestra : S/T
ARTIST / Electric Light Orchestra
TITLE / ELO
LABEL / harvest
DATE / 1971/2001
TITLE / ELO
LABEL / harvest
DATE / 1971/2001
2061。以前紹介した盤"Zoom"。過去盤レビュー。The Beatlesが解散して、人々がその手の音楽に乾きを覚えていたときに登場したわれらがElectirc Light Orchestra。彼らが残した(個人的な思い入れを含めた)傑作1st。ジャケは僕が買った30周年記念盤で、2枚組みとなり、2枚ともにボートラとしてライブ音源やミックス違い音源が突っ込まれている。ちなみに、US盤のタイトルは、なぜか"No Answer"。僕はThe Beatlesにほれていたからといって、それ以降のイギリスシーンを追っかけようと思ったことはない。ELOが僕に与えられた理由は、Roy Wood(参考1)が好きだったから。ただそれだけ。彼はThe MoveからWizzardへと移行するほんの一時期、この1stと2ndの途中までELOに在籍した(すぐに興味を失ってしまうというところがかっこよい)。彼は本作がリリースされた当時でも、8曲中3曲を作っている。M2ではブシ全開である。M4ではほぼ破綻してるシンフォニックロックで、Zappa先生のような奇天烈を見せる。思えば、僕は当時から奇人とか呼ばれる人に憧れていて、それは自分が特別でありたいという思春期特有の病であったわけだが、その風貌や、マルチ演奏者、あるいはその独特の才能から、Roy Woodに惹かれたし、その似て非なる類似性を感じ取って、飛び石のないZappa先生へと傾倒していくことになったのだと思う。WoodとZappaの共通点なんて、そんなふわっとした個人的な観察でしかないけど、この西と東の髭人たちが僕にくれたものは、楽しい。そしてRoy Woodは稀代のメロディメーカーであった。本作M5のインストも、やっかいな引っかかりの中にさわやかさを感じさせる旋律と展開を詰め込んでいる。しかもインスト。そして本作のラストを飾るM9も、もうただのRoy Woodでしかない涙が伝う名曲である。世界でも数少ないブシメーカーに、ありがとうを送ろう。さて、ELOのメジャーなほうは、もちろん看板のJeff Lynneです。その後のELOを1人でしょっていくわけですし。彼も晩年のThe Moveのメンバーであった。本作でも、しっかりとThe Beatlesの系譜に乗っかって、それらしい、彼らしい曲を書いている。才人です。僕がElliott Smith的なものを渇望するように、当時はすでになくなり、それまであったものに対しての渇望がピークに達したとき、Jeff Lynneの曲は喜ばれたであろう。The Beatlesが持つこみ上げてくるようなフレーズを彼は効果的に書くことができた。ただ、ELOはそれだけでは飽き足らず、ストリングスを多用したことで、ちょっとごてっとした印象を与えたかもしれない。もの珍しい印象とでもいおうか。さて、その後ELOがどうなったのか僕はしらない。Roy Woodが去ったELOを追っかけようとは思わなかったからだ。ただ、人生は長い。いつか、全盛期といわれた時期のELOにも手を伸ばしてみようと、そんな風に思った30歳直前の冬。