The Quintet : Jazz At Massey Hall
ARTIST / The Quintet
TITLE / Jazz At Massey Hall
LABEL / universal
DATE / 1953
TITLE / Jazz At Massey Hall
LABEL / universal
DATE / 1953
2264。ジャズ名盤探訪。オールドな黄金時代へとわれわれはいざなわれる。メンバーはCharlie Parker(アルト・サックス)、Dizzy Gillespie(トランペット)、Bud Powell(ピアノ)、Max Roach(ドラム)、Charlie Mingus(ベース)。なんという集いし5人。おんぱれ感に、照明もカメラも追いつけないぜ。30歳前後の彼らが、最高潮を迎えたビバップで観客を熱狂させている。バードはすぐに死んでしまうっていうことで、もはや熟年のといった評価もあるみたいだし、PowellもRoachもMingusもまだ若手という立場だったようだが。それにしても、俺たちは何をしているのか。俺たちは一体何をしているのか。俺は。契約問題でごたごたとするのがお約束で、このときもプラスチックで出来たサックス(もちろんキチンとしたやつ)を近くの楽器屋で手に入れて参戦した舐めきったParkerは妻の名前を借りたCharlie Chan名義であった。ジャケットでは画面左手で一番大写しになっているにも関わらず顔が切られているというやり口もなかなかである。M2の気持ち悪い'solt Peanuts'という掛け声をぶち込んだ同名曲のわくわくする疾走感っていったらない。決して俺たちに躍らせようとしない。それでも存分に踊りきった演奏である。各人のソロも冴え渡っているように感じる。ただ音がクリアではない。そりゃそうか。ライブ盤だしな。こっそり録音して自身のレーベルから販売して設けてやろうとしていたMingusが、自分自身のベースの音が小さすぎてダビングしなおしたというさぎみたいな成立の背景もほほえましい。とにかくいろんな逸話がぶち込まれているのが名盤たるゆえんなのかもしれない。とにかくかっこいい。50年代だぜ。ジャズはいつだって音楽の最先端だ。