山下達郎 : オン・ザ・ストリート・コーナー 3
ARTIST / 山下達郎
TITLE / オン・ザ・ストリート・コーナー 3
LABEL / warner
DATE / 1999
TITLE / オン・ザ・ストリート・コーナー 3
LABEL / warner
DATE / 1999
2204。以前紹介した盤"コージー"。人気シリーズだったのか、山下達郎が思い入れのある曲を1人アカペラで通しきるというコンセプト「オン・ザ・ストリート・コーナー」の3作目。1作目は1980年、2作目は1986年と、なんとも歴史のあるシリーズなのである。当時僕は山下達郎にうきうきわくわくしていたわけで、リアルタイムで新譜が出たらきちんと買うというまじめで愚直で、どこからどういわれても評価されてしかるべき人間であった。それがいまやどうだろう。何をするのも億劫だ。こんなくだらない人間になってしまった。そのマイナスの感慨をなんとか好転させようといきまいている。ぜえぜえはあはあ言いながら。本作を買ったときに聞き込んだわけでもない。今聴いても、どこまでも12月な空気がその顔に似合わない圧倒的な美声によって固くされるまでである。どこまでもドゥーワップにこだわり、それは僕にとってはFrank Zappaであり、日本のFrank Zappaといえば山下達郎なのだ、などと小学生みたいなことを説いたところでその真正性たるや、包茎臭くて聞いてられないのである。本作ではシリーズで初めてオリジナル曲'Love Can Go The Distance'のアルバムミックスを収録している。誰もが聞いたことがあるであろうこの名曲の暖色性たるや、やっぱり12月の暖かさを固くするのであった。思い出は、12月に置き去りにし、1月は新たな気持ちで。2月はトマトジュースに思いをこめて。'Stand By Me'のカバーは本作に入っています。