Grant Green : Idle Moments
ARTIST / Grant Green
TITLE / Idle Moments
LABEL / blue note
DATE /1963
TITLE / Idle Moments
LABEL / blue note
DATE /1963
2086。ジャズ名盤探訪。安いからblue noteばっかりになっちゃうのがネック。時代はやっぱりハードバップ。ポスト・バップなんて呼ばれることもあるみたい。ちなみにポストとハードの間に違いがあるのかないのかは知らない。シーンとしてはやっぱり60年代のblue note。Joe Henderson (テナーサックス)、Bobby Hutcherson (ビブラフォン)、Duke Pearson (ピアノ)、Bob Cranshaw (ベース)、Al Harewood (ドラム)、そしてそれの中心にたつGrant Green (ギター)の有名な1枚。比較的旋律主義的で、甘く、さわやかだ。M1はDukeによる作曲で、14分。かなり眺めだが、それにも紆余曲折あったということで、トラックとして単調でありながら、飽きが来ない甘さがある。M2はリーダーGrrantによる曲で、軽やかな疾走感がある。ビブラフォンがきもちよい。M3はピアニストJohn Lewisによる作曲でクリアなGrantのソロが主張することなく調和する。ここまで美しい音がギターには出せるんだという、ロックキッズには想像もできない世界である。発売時は4曲だったところを、CD化に際してか、M2とM3のロングテイクも収録。ジャズとはこのような広がりを見せる中で、切り詰めることを選択することもあるという証左である。言われずともわかる話だが。ここで、パッケージによる制約が思いもよらぬ外延として、モダニスティックに響いてくるわけだ。ギタリストによる作品としてよりも、ヴィブラフォンなど、色味のある楽器がそれぞれソロに遊ぶので、トータルとして楽しまれるようだ。個人的には、それほど溺愛するような1枚ではないけれど、確かに喫茶店でのはまり方は半端ではなかったろうなと。煙草とコーヒーと、やや地下に位置する、そんな居場所である。