Moodymann : Black Mahogani II
ARTIST / Moodymann
TITLE / Black Mahogani II
LABEL / peacefrog
DATE / 2004
TITLE / Black Mahogani II
LABEL / peacefrog
DATE / 2004
2057。以前紹介した盤"Black Mahogani"。これがクラブ音楽ってか。いや、高度にその性質を純化させたジャズだ。なんてこった世界は、こんなにも進化してる。全4曲でミニアルバムという扱いながら、M1で18分のボリュームがある。しかも入りから1分25秒で一気にメロディアスなテック・ジャズ・フレイバへと昇華させていくあたりの手法はもうどうしたらよいのでしょうの宇宙。ちょ、お前何がしたいん、そんなんして誰が喜ぶん、かっこつけすぎちゃうん、抱かれたい男ナンバー1すぎちゃうん、である。ベースが永遠を保証するかのように、通低音を敷き、ビート部分を担当するハイハットの刻みが、控えめながらクラブ的な甘美さを枠付けるとともに、それらが貴族なドラムンのように動きまわる。ローズ系の鍵盤、それが甘美さそのものをメロディとして供給する。有機的、という簡単な言葉で片付けられるのだろうか。クラブ・ジャズとはなんなのか。これでわれわれは踊らなければならないのか。そんなお洒落なことを、ほほを赤らめずに実行できるだろうか。俺にはできない。黒の控えめなスパンコール付きで、腰にまでかかるのかというようなスリットをかましてるワンレンのドレスで、胸の谷間をてからせた、われわれのいかした女たちのための音楽である。彼女たちは踊るのではなく、足を交差させるようにフロアを歩く。スローモーション加工されているかのように。片手を腰に当て、そこらじゅうの男たちに目もやらず。やや疲れたような憂いを帯びて、全てを見下すかのように。音楽は鳴っている。Moodymannの音楽が鳴っている。こんないいものを独り占めしてるなんて。と大学生の頃の俺は思えただろうか。容易に手に入るようになった今のうちに、皆さんも恋焦がれるように、愛を加えるように、音楽を所有しよう。