Air : 10,000 Hz Legend
ARTIST / AIR
TITLE / 10,000 Hz Legend
LABEL / virgin
DATE / 2001
TITLE / 10,000 Hz Legend
LABEL / virgin
DATE / 2001
2059。以前紹介した盤"Moon Safari"。過去盤レビュー。"The Virgin Suicides"のサントラをはさんで、2ndになるか。3rd扱いか。知らん。ゲストにはJellyfishのRoger Joseph Manning Jr.、Beck、Buffalo Daughter。またBeckやNine Inch Nailsとの仕事で知られるらしいベーシストJustin Meldal-Johnsenも前面バックアップ。なんだかとっても、臭い1枚です。といっても、意外と僕は聴いていて、その生ぬるいBeckのような方向性は、イラつきを押さえる作用があるようにも感じている。ただのラウンジよりも、一歩進めたのか、大衆に迎合したのかは知らないが、ポップスというかロックスに近づいている。ぐっと身近に、もっとたやすく、ほほえましく。BeckがボーカルとったらまんまBeckになるしね。Kraftwerkなアプローチも、ビヨーンビヨーンとやってみても、そこはかとなく漂うB級なAirの旋律には誰も抗うことはできない。Tomlabとかで歌モノ牧歌トロニカなんかをやっていた00年代の人たちは多分、Airに圧倒的に憧れたんではないかなと思う。秀逸な構成なんてない。ただただ緩やかにまとめられて、どこ切っても同じ味がする完成度。本作については、そいう点で、1stのような無害さは感じない。Airの2人がどこまで本気なのか、それをかんぐったり、疑念を持ったりする。懐疑的な態度を要求する。そりゃもうぽっとでの1stのようにはいかない。周りには、フレイバの近いグッドミュージシャンをそろえ、鳴り物入りで世界へと発信してるわけだから。もはやFrench Bandではないのである。排気ガスを、煙草の変わりに。個人的な、世界の終わりのお供にどうぞ。良い盤だと思います。