DJ 3000 : Somewhere In Detroit Mix Series Vol. 1
ARTIST / DJ 3000
TITLE / Somewhere In Detroit Mix Series Vol. 1
LABEL / electrofunk
DATE / 2002
TITLE / Somewhere In Detroit Mix Series Vol. 1
LABEL / electrofunk
DATE / 2002
1502。以前紹介した盤"Electric Soul "エディットとマスターはsubmergeのドンMr.De'が担当。ミックスCDなのでケース裏面に各曲のタイトルがついているのだが、それぞれの曲には作家名ではなく、レーベル名が付されている。これは興味深いことだ。すなわち、UR、Electrofunk、Soul City、Los Hermanos、Metroplex、Motechというレーベル名である。ちょっと調べれば、あるいはitunesからトラックリストを取得すれば、各曲を手がけた作家名がわかるけれども。もちろんレーベル名と作家名が一致している場合もあるが、それを踏まえたとしてもやはり、デトロイト都市の覆面性は今後常に考察され続けるでしょう。そしてそれらは門外不出の皿が含まれており、それをまわすことができるのは限られた前衛兵士だけである。DJ 3000は若きしんがりとしてその栄誉を授かっているのはいうまでもありません。本作では大きな母体としてのUnderground Resistanceはもちろん、首領のMad Mike、構成員のElectric Soul、Marc Floyd、The Deacon、さらにLos HermonosのプロジェクトとURの両方にかつては足を突っ込んでいたDJ Rolando、そしてDJ仲間のAaron-CarlやDJ Assault、そして大御所Mr De'、Model 500/600のトラックなどなどまで巻き込んで盛大なデトロイト・パーティーを開催。まるで宇宙に広がる暗がりの種子としての都市がひとつの物語として提示されているように錯覚する。見事な構成力(という感想であってるのか)。ファンクな素地も媒介させながら、精神性までも備えるようなった電気の音楽たちは、純粋主義的なものではなく、常に都市やそこを根城にする人々によって規定されている。デトロイト・テクノは新しい世界音楽の一項目を占める価値があるわけだ。あまりにも暗がりが似合うために、多くのわれわれからは見えないかもしれない。しかしわれわれは布教し続ける、ある都市の怒りに満ちた物語を。DJ3000ことFrank Juncajは、創造的な広報であり、それを誰よりもしゃぶりつくすこの上ない幸福な存在ともいえる。