Fred Frith : The Technology Of Tears - And Other Music For Dance And Theatre
ARTIST / Fred Frith
TITLE / The Technology Of Tears - And Other Music For Dance And Theatre
LABEL / recrec music / sst records
DATE / 1988
TITLE / The Technology Of Tears - And Other Music For Dance And Theatre
LABEL / recrec music / sst records
DATE / 1988
1319。今僕がもっとも聴きたいバンドランキング第一位のHennry Cowの主要人物であり、70年代後半からはニューヨークノーウェーブ関係者と交流を持ちながらインプロギタリストとしての地位を確固たるものとしたFred Frithはその経歴だけ考えれば目下僕がもっとも追いも飛べるべき作家第一位に輝くのは当然といえば当然である。スイスの独立レーベルrecrecを中心に盤を残しているのも注目したい。recrecは日本でロクスソルス(あの文学作品からとられた流通レーベル)が紹介しているし、2003年には倒産閉鎖状態から復帰したみたいですね。いわゆる逸脱のポピュラー音楽の集合とでもいおうか。スイスはfor 4 earsもあるし、その辺の音楽に強いみたいですね。さて本作はsstもライセンス契約でリリースしているので、その辺も僕ポイント加算されています。辺境な作家ぶりを発揮し、微妙すぎるコード感の否定、マルチ楽器奏者としてのがちゃつき(この盤でFrithはギター、ドラム、ヴァイオリンなどのほとんどの楽器を演奏しています)があふれています。決して難解(というかブルジョワ感)に陥らないポピュラー音楽としての意地も感じる。そもそもポピュラー音楽って何かね、といわれても答えられませんが。チープといえばチープ。しかし好きだ。サポートに友人のJohn Zorn(アルトサックス)、Jim Staley(トロンボーン)、Christian Marclay(ターンテーブル)、Tenko Ueno(ボーカル)といったニューヨークの地下住民たちを招致し、この盤は十全にグロテスクに仕上がるのである。ちなみにFred Frithは現在、オークランドの名門女子大であるミルズ大学の作曲科で教鞭をとっているらしい。やめてあげて。