Ativin - German Water
ARTIST / Ativin
TITLE / German Water
LABEL / secretly canadian
DATE / 1997
TITLE / German Water
LABEL / secretly canadian
DATE / 1997
1184。以前紹介した盤"Night Mute"。90年代のAtivinです。2004年にリリースした盤ではウタなども聞かせていましたが、こちらはサラダの清涼感で軽くコーディングしたShellacという感じか。ドラムもやや原音主義的であり、ステレオで展開する不穏なギターの爪弾き、テープコラージュ(どういうわけか、外国の作家たちは日本の駅におけるアナウンスをサンプリングするのが好きだ)を用いて、インスト物のにわかな追い風に乗り込んでいるという感じか。 Euphoneの1stが1997年、Iliumの"Plexiglass Cube "が1998年くらいだから、結構この年周辺は93から94年あたりでTortoise、Shellacというシーンが確立した後に、方法論が拡散していく時代としては注目すべきなのだろう。これを90年代の新興インスト勢(いわゆる「ポスト・ロック」)の2段階右折と呼ぶことにする(いやただ90年代中盤の動きがわかってないだけだが)。音としてはIlliumに似ているが、Ativinのほうが早いと思う。この盤の前、96年にpolyvinylからリリースされたEPのほとんどをAlbini先生が録音しているという。ああ、やっぱりかという安心感。スローに展開する既存のフレージングとは明らかに異なる旋律の組み立てかた、そしてなんといっても音のテクスチャなどはやはり個人的な琴線を毛羽立たせます。寡作だからかあまり名前が挙げられることのないバンドですが、比較的重要であると認定しておきます。L'Altraの"Music Of A Sinking Occasion"でミックスをつとめたAndy Bryantがミックスと共同プロデを担当しています。ジャケからして自意識が高いよね。