X-Asp : Terra Ferma
ARTIST / X-Asp
TITLE / Terra Ferma
LABEL / rephlex
DATE / 1996
TITLE / Terra Ferma
LABEL / rephlex
DATE / 1996
1036。われらがrephlex。X-AspはPaul GulatiとSimon Powellという二人組のプロジェクトらしい。彼らの音楽には自称だかなんだか知らないがソニック・アバンギャルドというよくわからない言葉が与えられている。M5はMike Paradinasが表題曲をリミックスしている。この2人がこの盤のあとどのような展開を見せたのかはまったくあずかり知らぬところだが、表題曲であるM1を聴いた限りで、彼らの続くパフォーマンスが明瞭な形で現れていないというのに嘆息せざるを得ない。よく言及するように良い盤というのは予感がある。その奥底に隠し持っているどろどろしたアレの明かりが漏れ出しているのである。もちろんこれは文字による比喩である。そして俺による記述である。結局のところのこの盤を聴く以外ないのである。それにしても昨今この盤のように高揚感を持続する盤というのは本当に少なくなってしまった。何かしらの言葉による形容が人々をがんじがらめにし、それに沿うようにして自分達の形式を確定する。どうしようもない寄り添いは、本当に言葉が実存に先立つということを、事実として提示しているようにも思う。我々は言葉に踊らされているのが現状だ。いや、言葉という広がりをより限定して「名づけ」によって、といおうか。現実よりも名前が先に来るのである。名前は自分の広がりを主張し始める。普通名詞は特にアメーバのように自分の中に構成メンバを取り込んでいくのである。さて、関係ない話をしてしまった。この盤は結局X-Aspによる盤である、という確認がしたかっただけなのであるが。ヒロイックな一枚だ。