Studio Pankow : Linienbusse
ARTIST / Studio Pankow
TITLE / Linienbusse
LABEL / city cintre offices
DATE / 2005
TITLE / Linienbusse
LABEL / city cintre offices
DATE / 2005
1323。出たよ。電子を複数人でやるといういまいちよくわからない実践。すでに複雑な作曲が1人でなされているというのに、複数集まってやる意味が正直いまだに理解できません。もちろん個性のハイブリッドが可能であるという見方もあるかもしれないが、どこにそれが反映されるのかもわからない。Studio Pankowはsource recordsを運営するMove DでおなじみのDavid Moufang、17歳でplus 8 recordsに殴りこんだJamie Hodge、そしてあまりよく知らないKai Krokerという3人組。3人て。しかもMove Dまで参加してるとは。それぞれ1人でやりなさいよ。本作を聴く分には、決して超超超複雑というものでもない。ccoの標準的な高レベル。まあよくある盤の1枚というところか。1999年から2004年までのあいだに行われた3人のセッションにMove Dが編集とオーバーダブを加えているそうだから、電子の生産プロセスによる特性などを考えたとき実質はMove Dの作品と言えるのかもしれない。その意味ではそれほど深く考えることなく聴けるかもしれない。ときに明らかに異質な旋律が盛り込まれたりするので、なるほどと思う瞬間もある。しかしこれは3人のせめぎあいというのが、実際上現われるのは、旋律性であるということになる。つまり旋律はそれを生産する人間をリプリゼントするという美学的には疑わしい直観である。有限の音の組み合わせのなかで、無限に多様な人間の構成が表象されることが可能なのか。しかしそれが成立しているから、いまだに独創性というものが信仰されているのかもしれない。まあとりあえず、本作はかなり優れているということは、つまらないけど事実ですのであしからず。