Esem : Serial Human

ARTIST / Esem
TITLE / Serial Human
LABEL / merck
DATE / 2003

merckは専属傾向のかたが集まっているような勝手なイメージを持っていたのですが、それは単にMachine Drumによって生み出されたもの過ぎなかったわけでこのEsemさんもこの盤が唯一のmerckからの作品です、もちろんリミックスやコンピなどではmerckへの露出が多かったようですが、Kahviというレーベルからのリリースが多いですね、Kahviはまさしくネットベースに移行しやすいという予想を裏付けるようにMP3、現在ではどうもogg-vorbisというファイル形式を用いて外部記憶メディアを用いないというなんとも合理的なレーベルです、そんな現代っ子Esemさんによるこの作品はmerckが誇る高水準なIDMで着実な2塁打となっております、それにしても考えるべきなのはこのような作家がいい加減自分自身を求心点として無数のレーベルというコミュニティを形成し、それが希薄製によって思想性がなくなることだと思う、ある種の便利なレッテルとしてのレーベルはこれまでジャンルと同じような利便性を持っていた(もちろん千差万別であり、おうおうにして雑食的レーベルが多いが、しかしだ、それでもある種のオーナの耳にかけるという気持ちは当然である、信頼できる人物の耳というのはある種の嗜好の指針である)、それが解体されるというこの事態に求心性を持つある種のコミュニティが必ず必要になる、構成員がすべて同じ権利を持ち並列的に構成されるコミュニティの誕生である