The Beatles : Let It Be
ARTIST / The Beatles
TITLE / Let It Be
LABEL / apple records
DATE / 1970
TITLE / Let It Be
LABEL / apple records
DATE / 1970
[28-71]。過去盤レビュー。最後の身振り。オリジナル盤であるが、ちょっと異質な立ち位置。出来損ないの"Get Back"をPhil Spectorが完成させたという。そして同名の映画のサントラとして出されたとかなんとか。タイトル曲がそれだけで有名すぎるほど有名なので、スタジオ盤1枚としては、まるで有名なのではないかという錯覚に陥るのが初心者にありがちなのだが(僕も含めて)、決してそうではない。もちろん、そりゃあ、世界のThe Beatlesの曲が並んでるわけなのだから、出来損ないであれ、なんであれ、代替不可能な価値を持ってしまう。しかも実質的なやつを。困ったことです。'Across The Universe'なんていう強烈過ぎる曲も収録されているから手に終えない。泣けてくるわ。原点に返ろうというゲットバックの思想は、結局彼らをつなぎとめることはできなかったし、ウォール・オブ・サウンドの代表格であるPhilはここぞとばかりに、やりたいほうだいでオーケストレイションをぶち込み、Paulは不満だったともいう。そんなご機嫌斜めなPaulのわがままで、"Let It Be... Naked"という1枚も作られた。聴いてないけど。そんなThe Beatlesの仕事でありながら、頓挫と他人の仕事による侵食によって、ファンでさえも本作をさほど良しとしていない。バカやろうども。The Beatlesの曲はもう聴けない、とか思わないのか。そりゃ、それ以前の傑作群には比肩できなくとも、凡百のチャートをにぎわす盤たちよりも、The Bealtesの残した身振りの記録というだけで十分じゃないか。彼らは教科書にも載るポップスターだ。僕たち大衆が、どこまでいっても見上げながら憧れ続ける偉大すぎるポップスターなのである。リヴァプールに伝わる民謡なんかもぶち込まれた。これはThe Beatlesによる、The Beatlesだけが作れる1枚なのだ。どこまでも。そして、こすられすぎて'Let It Be'は、もはやダサいという扱いになるときもあるけど、ちょっと待てと。聴けと。名曲として生まれた典型的な名曲ろうが。ゲットバック。