Elliott Sharp / Carbon : Monster Curve
ARTIST / Elliott Sharp / Carbon
TITLE / Monster Curve
LABEL / sst
DATE / 1988
TITLE / Monster Curve
LABEL / sst
DATE / 1988
2380。Elliott SharpとCarbonは内山田洋とクールファイブ的なのりな関係ですが、これまで実は2枚も紹介しているんですね(参考12)驚きです。本作は ドイツのzoarというSharpの自主レーベルから出た"Carbon"(1984)と、同じくドイツのdossierという時代なレーベルからリリースされた"Six Songs / Marco Polo's Argali"(1985)と"Fractal"(1986)から曲をチョイスした再編集盤のようです。ジャケはその3枚のうち"Fractal"をベースとしています。もちろん全編インスト。トライヴァルに展開するグルーブが演奏を盛り上げて、とても強い1枚となっている。特に"Carbon"からとられたM1からM4は Charles K. Noyesと Mark E. Miller によるダブルドラム体制でとても魅力的な力を感じます。ドスドスドスドス。京都どす。ニューヨークの女性トランぺッターLesli Dalabaやトロンボーン奏者Jim Staleyといった当時の前衛音楽演奏に御用達だったメンバーも要所に配置することでなんとなく時代の説得力が増してる感がある。とがり切った先に行き着いた音楽としてはなかなか理想的な仕上がりとなっているのではないでしょうか。聴きやすいにも関わらず、何かこれまでとは違う事件が起きているように錯覚させてくれる。これまでのキャリアで相当数の作品集を送り出しているはずだが、どこまでも小規模な棚でひっそりと流通するしかないElliott Sharpがさらに広がりを見せるのは、多様な音楽が求められるような時代でない以上、不可能な事態と言わざるを得ない。でもそうであるがゆえに、見つけた時に回収しておかなければこれらの素敵な音の集積は埋もれて2度と顔を見せることおはないのではないでしょうか。かっこよさとはこういうことだと、風を切るように言えた時代があったわけです。