Honey For Petzi : Man's Rage For Black Ham
ARTIST / Honey For Petzi
TITLE / Man's Rage For Black Ham
LABEL / gentlemen Records / ruminanCe
DATE / 2005
TITLE / Man's Rage For Black Ham
LABEL / gentlemen Records / ruminanCe
DATE / 2005
2375。以前紹介した盤"Heal All Monsters"。1995年に結成されたスイスの3ピースバンド。00年代ににわかに活気づいてそのまま消失したマスロックムーブメント、ないしはリバイバル的ななかで、新興レーベル中の新興レーベルとして知る人ぞ知る中の知る人ぞ知るレーベルruminanCeでカタログ化された1枚。つまりもはや誰も知らないといってよいだろう。メンバーはChristian Pahud、Philippe Oberson、Sami Benhadjの3人。一応5thぐらいに当たる本作です(3rdとして紹介されているようだが)。00年にリリースをはじめ、数枚の盤をリリースして、10年とたたぬ間に消えていったインディーバンドの多いこと多いこと。それはもちろん、あらゆるディケイドでいえることだと思うけれども、まだ物理メディアがかろうじて存続している最後の時期だっただけに、なんだかその終わった感もとても強く心に刻まれたことでしょう。ものがあれば、それを手に取って、現実空間で売ることができるという虚妄なわけだが。彼らもシーンのフォロワーとして、先にに言及した2ndでは仕事を断らないことで著名なStece Albini先生に録音を依頼し、その方法論をいくばくかスイスにもたらしたのではないでしょうか。本作のロウな手触りのある音作りも、やや物足りない部分はあるものの、かなりライブ感を保存していて、そのカッティングが効いたフレージングと反復による曲の構成も相まって、なんだか泣けてくる仕上がりになっている。ジャケがほのぼののとしてポップなだけに、なかなか想像して手に取ることは少ないかもしれないし、そもそもruminanCe自体が流通量の少なさを触れ込んでいたわけで、日本でどの程度出回っているかわからないけれども、きっと投げ売りされる類の1枚だし、買っても損するようなものでもないので、試しに聞いてみてはいかがでしょうか。この手の盤としては、よく研究と洗練もされているし、きっと今の10代のなかにも気に入る人もいると思います。100人に3人ぐらいは。