Aids Wolf : March To The Sea
ARTIST / Aids Wolf
TITLE / March To The Sea
LABEL / skin graft
DATE / 2010
TITLE / March To The Sea
LABEL / skin graft
DATE / 2010
2363。ディスクユニオン大阪ができたから、大阪でも結構な数の中古CDが見やすくなり、レーベル買いだって成立するようになった。今更大時代的な、というより時期としては30年程度という短命な物理メディアを血眼になって探すほど若くもないわけだが、リフレッシュにはなるのかもしれない。skin graftはMark Fischerという人がインディーコミック出版としてスタートし、90年代にはレコードレーベルとしてノイズバンドの諸作をリリースするようになったレーベル。結構マイナーな部類に入るけれども、リリースしている作家群は、Zeni Geva、Melt-Banana、Ruinsという日本を代表するノイズ系バンドをはじめ、レーベルスタートのきっかけとなったDazzling Killmen、あるいはU.S. Maple、そしてO'Rourkeも参加したBrise-Glace(参考)といった聞けばなるほどノイジーだという広がりがあった。本作も、糞みたいなジャケで知らなきゃ決して手に取らないが、しかりと雑な音を出している。レーベルが細々と活動をしているという貴重な事例でもある。Aids Wokfはそんなskin graftを中心にリリースしていたカナダのノイズバンドで、2012年にすでに解散しているらしい。いても売れてるわけはない。カナダのノイズバンドて。どこに需要があるのかと。全7曲。白眉は10分を超えるラストの曲で、Throbbing Gristleの'Very Friendly'という曲のカバーだという。メンバーはAlex Moskos、Chloë Lum、Nick Kuepfer、Yannick Desranleauという布陣。紅一点のChloë Lumが若いころのKim Gordonのように、珍奇な演奏の上に珍奇なボーカルを載せるというスタイル。00年代にスタートしたバンドが、これで勝てると思うのだから音楽は本当に素晴らしいし、くそったれだと思う。ただタイトルは素敵ですね。