The Dylan Group : Japan Tour 2016 Special Limited CD
ARTIST / The Dylan Group
TITLE / Japan Tour 2016 Special Limited CD
LABEL / after hours
DATE / 2016
TITLE / Japan Tour 2016 Special Limited CD
LABEL / after hours
DATE / 2016
2360。2016年3月にオリジナルメンバーで来日し、東京、京都でライブを行ったThe Dylan Group。お久しぶりですというブランクを一切感じさせない最高のプレイを見せてくれました。再結成から15年たっても愛してくれる島国のわれわれに、バンドからの挨拶状とばかりに配布されたのが本作です。サンプラーみたいなものでしょうけれども、3曲16分あまりに、彼らの変わらぬ身振りが録音されている。M1はライブでも切れ切れのドラミングを見せていたAdam Pierceを中心とする現在進行形のプロジェクトMice Paradeによる音源。ボーカル曲でMúmのSigurlaug Gísladóttirが参加している。M2はもう1人の中核メンバーDylan CristyがリミックスしたThe Dylan Groupの未発表音源。M3は来日公演前に収録されたリハーサル音源。聴いていると、京都メトロを充溢したダブルヴィブラフォンの響きと、トランペット、ベース、そしてドラムが一体となった全体がよみがえってくるかのようです。本当に素晴らしい現役感のあるライブだったから。単独でのフル盤は90年代後半から2000年までに出された3枚しかなく、表立った活動期間も今思えばかなり短いといえるけど、われわれは彼らの身振りを見に集まったわけだ。仕事帰りのサラリーマンも含め、スーツを着たかつての子どもたちがステージを見つめる。その空間が最高にエモかった。Adam Pierceの活動、あるいは彼をめぐるその他のバンドが当時集中して紹介され、ポストロの響きに浮かれていたわれわれの青春を奪っていった。その呪縛はまだ僕たちをとらえつづけている。90年代の裏側の音楽に対して、当時は無理だったけど、今ならお金を払うことが出来るようになった大人たちが日本には少なからず居る。そんな僕たちのために、ここ数年行われている謎のリバイバル来日公演の数々がこれからも続いていくことを願うし、その最終回のようなイベントが終わったとき、本当に僕たちの音楽が終わるのかもしれない。しかし、そうならないように考えている人間がいることを俺は知っている。