Sonic Youth : Goodbye 20th Century
ARTIST / Sonic Youth
TITLE / Goodbye 20th Century
LABEL / sonic youth
DATE / 1999
TITLE / Goodbye 20th Century
LABEL / sonic youth
DATE / 1999
2254。Kim GordonとThurston Mooreが離婚して、グループも活動停止。こんなことになるなんて。それでもライブなどのブート音源が公式盤でリリースされるなど、まだSonic Youthの名前は失われていない。本作は、解散まで続けられてきたsonic youth recordsのSYRシリーズ4枚目。このシリーズはジャケとをいろんな言語でデザインすることとなっていが、ドストライクなタイトルを冠した本作で選ばれた言語は英語である。そしてさよなら20世紀という趣向。アートスクール出身者にもかかわらず、ポップカルチャーでの成功をものにしたSonic Youthの責務を果すかのように、彼らとその仲間たちが20世紀のアヴァンギャルドと、彼ら自身の接合点を探っている。そういう意味では、ポップスから現代音楽へと関心を滑らせるにはうってつけの1枚だとおもう。2枚組み。1枚目のM1はドイツ人ながら渡米してJohn Cageらとの同時代の思い出を携えたChristian Wolf作曲(1969)による。クレジットを見る限り本人も参加している。M2はそのJohn Cage作曲(1991年)の'Six'でその3テイク目を収録。M3はテープとアコーディオンを駆使する女流作家Pauline OliverosがSonic Youthに書き下ろした1曲(1999)、M4は我らがタージマハル旅行団(参考)よりTakehisa Kosugi作曲(1987)で、これも本人参加。M5のYoko Onoの曲(1961)というにはあまりにも馬鹿らしい12秒足らずの1作は、それにふさわしくGordon-Mooreの娘Cocoちゃんがギャーと叫んでいる。本当にふさわしい。M6はSteve Reichによる。ただ、いわゆるReichライクではない1968年の1曲。これにフルクサスのGeorge Maciunasのムービーが付いているという贅沢仕様。そして2枚目。冒頭からアメリカの音楽理論家兼作曲家の大家James Tenneyのガムラン系パーカッション作品(1971)。M2は1枚目のJohn Cageの'Six'の4度目のテイクを収録。M4もJohn Cageで30分オーバーの大曲(1992)。M3は再び本人とともにChristian Wolffの1曲(1971)で、Christian Marclayも参加している。M5はMaciunasがNam June Paikのために作った曲(1962)。M6はFrans Zappaとも親交をもったロシア系アメリカ人の大家Nicolas Slonimskyによる(1951)。そしてラストは元AMMのCornelius Cardewの緊張感に満ちたセッションをカバー。すごくおなかいっぱいになるわけだ。仲間たちにはJim O'RourukeとWilliam Winantがメンバーらとともに共同プロデ扱いでクレジットされ、多くの曲でパフォーマンスにも参加している。この後、O'RourkeがSonic Youthのメンバーとなるのはご存知の通り。本作はその関心を交差させるという点でも重要な意味を持っているわけだ。John Cageによる曲はいずれも最晩年の曲で、何か意図があって選ばれたのだろう。まさにさよなら20世紀という象徴的な意味なのかもしれない。そんなこんなで、快楽を保証するわけではないけど、ポップスを敷衍するという音楽の聴き方をする場合は、ひとつのメルクマールとなる。ジャケットの裏側には、これまたアメリカの現代音楽家(抽象的な言い方だが)のLou Harrisonの言葉が引用されている。曰く、'Ecerything Comes to an end...even the twentieth century'。よろしく。