Steely Dan : Pretzel Logic
ARTIST / Steely Dan
TITLE / Pretzel Logic
LABEL / abc
DATE / 1974
TITLE / Pretzel Logic
LABEL / abc
DATE / 1974
2241。邦題に化された言葉は「さわやか革命」。3rd。Donald FagenとWalter Beckerの2トップを軸に、まだグループとしてその他メンバーが脇を固めていた時代。しかし本作を持ってライブ活動も中止し、2人はより厳密な構築物を吹き込むべく、思い通りのデザインに叶うスタジオ・ミュージシャンを呼び、独自の境地へとアプローチしていく。1st、2ndのまだ初々しい風も、本作で持ってかなりブシ感も強くなり、曲の構成、グループ、バック・ボーカルのハーモニーなど、まがうことなきSteely Danのアルバムとして完成している。複雑だ。メンバーにはのちにDoobie Brothersに合流するJeff Baxter(ギター)や、Denny Dias(ギター)、Jim Hodder(ドラム)、そのほか多くのスタジオ・ミュージシャンが居た。ジャズへの敬意を表すかのように、本作ではその意匠が多くちりばめられている。Steely Danにヒットも糞もあるのかどうか知らないが、一応売れないと生き残れないというわけで、その意味で彼らの一番のヒット曲といわれるのが、本作M1の'Rikki Don't Lose That Number'。そのイントロのリフはHorace Silver(参考)の'Song for My Father'をベースとしている。最高にブシを聞かせたサビとそこにいたるBメロからの展開は名曲の体格しかしていない。またM5'East St. Louis Toodle-oo'は、本作唯一のインストでSteey Danではほぼ見られないカバー曲となり、Dule EllingtonとBubber Mileyによるもの作曲。またM6'Parker's Band'とM10'Charlie Freak'は匂わせるのはCharlie Parkerだという。そこまでして、ジャズとの関係をほのめかしながら、ライブ活動から離脱し、スタジオへこもるというのは、なかなか難しい問題系を孕んでいるけれども、結局は演奏する以上の、あるいは演奏できる以上の複雑さを追及するが故の結末なのでしょう。頭では成立しているが、一連の流れのなかで身体が付いていかないというか。全体で35分。現在では決して長くないが、その天才的な彩でもってねっとりとした音楽の時間を保証してくれる。Steely Danはどこの時代を切り取っても信じるに足る音楽家だと思います。