Buffalo Tom : S/T
ARTIST / Buffalo Tom
TITLE / S/T
LABEL / sst
DATE / 1988
TITLE / S/T
LABEL / sst
DATE / 1988
2246。1986年に結成されたボストン出身の3ピースバンドによる1st。メンバーはBill Janovitz(ギター)、Chris Colbourn(ベース)、Tom Maginnis(ドラム)。気持ちよいほど退屈で、90年代には糞の数ほど量産されることになる形態であるが、すでにこの時期にその存在がほぼ完成形のような形で準備されていたことが分かる。彼らの存在の基盤には、友人であったDinosaur Jr.の J Mascisが居たことはあきらかで、レーベルメイトともなり、本作ではM3でリードギターを、さらにはミックスなんかも担当していたりする。つまりDinosour Jr.の兄弟バンドみたいなものだといえるだろう。数年後には糞の数ほど量産されるといっても、決して陰鬱でもなく、どこかさわやかな風を、ささくれ立ったサウンドメイキングで疾走するフレーズに載せてくれるバンドってのは何だか予感があると思うし、本家本元がいたことで影は薄まっているかもしれないが、その退屈さってのもあながち今のレベルではなかったのではないか。とりあえずキャッチーにコトは進んでいて、良かったのだと思う。90年代にリリースされた諸作が、オルタナティブの棚から牡丹餅なのか、適度には売れたようで、それにはもちろん時代ともに、音楽的出自やら関係やらを総合しつつ、最後にはしっかりとポップなベタさが重要だったろう。Buffalo Tomはその点、本作を聴く限りでは、しっかりと水準と一致する程度の、ポップスを鳴らしているとおもう。もちろん売れたといっても、アメリカのB層レベルだったろうから、日本にもれ伝わる程度だったに違いない。それでも彼らのwikiが日本語で存在し、その音楽は僕のもとに届いた。インターネットが全盛でない時代の音楽が。