Theo Parrish : Sketches
ARTIST / Theo Parrish
TITLE / Sketches
LABEL / sound signature
DATE / 2010
TITLE / Sketches
LABEL / sound signature
DATE / 2010
2335。以前紹介した盤"Sound Signature Sounds Vol. 2"。手に入りやすい盤があれば適当に買い集めているTheo Parrishさん。ぐっと来るときと、そうでないときがある。最近のはぐっと来ないけど、ちょっと前のはぐっと来る。そんな傾向があるのではなかろうかと勝手に思ってるが、続けて聴いてるわけでもないので、よくわかってない。本作はM1のイントロからぐっとくる暖かみがある。ソウルやジャズなどのルーツ・ミュージックをデトロイトの電子的な海流へと刻み込む音の彫刻。手触りがとても良いとおもう。ハンドメイドジャケを携えた3枚組の超限定アナログセットから、流通仕様としてCDカットされた1枚みたいですけれども、11曲も入ってるし、コアなファンじゃない人たちにはとても思いやりのあるまとまりだと思う。こちらには、未発表トラックもぶち込んでいるので、アナログ持ってる人も買ったんだろうけど。その意味では性質が違うのかもしれません。フィーチャーしているゲスト・ミュージシャンは、おそらくその界隈では有名なベテランたちなのでしょう。とりあえず名前だけ並べておきます。M1にはJennifer Dale、Niamh Mcartney、Rio Hunki-Hemopo。M3ではBenjamin Lamar Gay、I.G. Culture(aka Ian Grant、クラブジャズ界の王様らしい。メモメモ。)。M8ではDumminie DePorres(submergeからParrishさんとコラボ盤出すほどおなじみ)。M9ではLarry Mizell(blue noteを中心に70年代から活動するジャズプレイヤー。)。M10ではParrishバンドともいえるThe Rotating Assembly。それにしても2014年の"American Intelligence"とかは、さらっと聴いただけでは快楽を見出せなかったわけだけど、本作の豊潤さといえばどうでしょうか。純然たるクラブ・ミュージックへの耽溺というわけではないから、もしかしたら人を選ぶんでしょうか。でも個人的にはTheo Parrishの俯瞰的なダンスの捉え方が滲み出すこのようなジャンル横断的な形態がとても良く響きます。本作は買う側の1枚として仕上がっているでしょう。濡れる。