Led Zeppelin : Houses Of The Holy
ARTIST / Led Zeppelin
TITLE / Houses Of The Holy
LABEL / atlantic
DATE / 1973
TITLE / Houses Of The Holy
LABEL / atlantic
DATE / 1973
2337。以前紹介した盤"Presence"。まただ。購入した盤にノイズが載ってitunesでは聴けない。前もあったなぁ。それはさておき、邦題は『聖なる棺』。Led Zeppelinの5枚目。過去4枚で一気にその存在を爆発させ、もうどうしようもないような状況のなかでも、生み出される音楽の力。それはマーケットの力なのか、才能なのか。要求されるのは、いつだってキャリアハイなわけで、それは売り上げであったり、チャートの連続記録とかではない部分もあるからたちが悪い。音楽的に、というどうしようもない漠とした感覚。何か新しいことは出来るか、コレまでの最高の部分をキープしたままで。俺たちの音楽がつくれるのか。創作するというのは、あふれ出るナルシズムがなければ天才的には成立できない。描かざるを得ない、というのが画家のGerhard Richterの言葉だ。そのような作家のみ、われわれは信じることができよう。それが作家の精神性だとおもう。糞みたいな音楽でも、糞みたいな絵画でも、それは結局そのような糞が身体中に詰まったやつらの感受性に触れるからだろう。口に糞を詰めながらコーラを飲んでも、そのコーラは糞の味が勝つのだ。と、Led Zeppelinがそんなことをかんがえていたとはおもわないけど、この妖艶な、あるいは異世界系のSF的なジャケットから出てくる音楽というのは、コレまでのZeppelinのようなささくれは後景化し、まるで俺たちのミスターチルドレンのように甘くまとまった音が鳴っている。ジャケデザインはヒプノシス。本作の特徴で言われるのは、それまでのハードロックを方向性を拡張し、さまざまなスタイルを取り込んでいるところ。CMだかで使われてサビが有名なM6の'D'yer Mak'er'。いわゆるレゲエなビートをつやっぽく演じている。名曲だ。この曲ってLed Zeppelinがオリジナルなんだ、というそれだけでも無知な自分には驚きがある。あるいはM4の'The Crunge'で見せるのはリズムギターが良いフックとなる遊びとアイディアに満ちた擬似ファンク。目配せするように本作の終盤を飾るM7の'No Quarter'はダウンビートながら、ある種Zeppelinらしいめくるめく怪しさがある。彩り豊かな1枚となったわけで、本作をコレジャナイという扱いをするのはまた別の話。好き嫌いは別にして、すごく音楽的に進んだ1枚となったと想像される。もちろん挑戦には代償があるかもしれない。音がこじんまりとし、あまりにもスマートだ。それはそれ、コレはこれということか。リズム隊を担ったJohn Baldwin(ベース)の変幻自在なラインと、どんな曲でも挑発的にビートを刻んだJohn Bonham(ドラム)の仕事が光る。Led Zeppekinは全部名盤だ。