Godspeed You! Black Emperor : Yanqui U.X.O
ARTIST / Godspeed You! Black Emperor
TITLE / Yanqui U.X.O
LABEL / constellation
DATE / 2002
TITLE / Yanqui U.X.O
LABEL / constellation
DATE / 2002
2334。今さらゴッドスピード・ユー!てな具合で、もう10年以上前に日本でも騒がれた1枚を引き出してくるという。本作を持って彼らの1幕は終了しましたが、その後、2012年、そして去年2015年と2幕が始まっている感じもあるけれども、拡散しきったこの時代で熱狂を生むことに成功しているのかどうかは定かでない。カナダはモントリオール出身のバンドで、スローコアなどといわれて、一聴して荘厳な印象によるアゲ方が、中心を失った若者たちに刺さったフシもある。音響とはまた違い、しっかりとアゲていくスタイル。個人的にはさほどのめりこむことはなかったスタイルである。なので、廃れている、という言い方には語弊があるかもしれないから注意しましょう。好きな人はまだきっといるに違いないから。当時のメンバーはAidan Girt(ドラム)、Bruce Cawdron(ドラム)、David Bryant(ギター)、Efrim Menuck(ギター)、Mauro Pezzente(ベース)、Norsola Johnson(チェロ)、Roger Tellier-Craig(ヴァイオリン)、Thierry Amar(ベース)といった感じ。とにかく多い。レコーディングは我らがSteve Albini先生。この時代、とにもかくにも、われわれは90年代の残り香を少しでも手繰るようにAlbini先生の仕事を追いかけ、その音楽的アイデンティティを確定しようとしていたわけだ。それは嘘だ。日本を中心に(する必要は皆無だが)、西のMogwai,
東のGodspeed You!という悲しげな尖がりを有意味にするほどリスナーは優しくなかった。いくら政治的な揶揄でもってメジャーを批判したって、結局は音楽で勝負できるかどうかである。若手に刺さるには、ほんの少しの時代と、雰囲気と、さりげなく思いを強くする情報があればよいのである。00年代、スローコア、Albini、その他もろもろ。そしてGYBEを好んでいた若手たちは、今や、おそらく、やれ桃色クローバーZや、やれでんぱ組INCやらにその気分の一致を見出すのであろう。歳を取るとはそういうことだ(何かを想定して述べているわけでは決してないのであしからず)。M3ではRob Mazurek(トランペット)をはじめ、ジャズ系の音色を足してさらに気分を高めてくれる。まるで自分が歴史の中心に居るかのような気分になれることだろう。しかしその歴史は、輝かしき状況を周囲に配置することによってのみ泥の勇者として成立する崇高さである。まったく気分じゃない。ちなみに、評判の高いのは前作の"Lift Your Skinny Fists like Antennas to Heaven"みたいなので、勉強家の方はそちらをどうぞ。
東のGodspeed You!という悲しげな尖がりを有意味にするほどリスナーは優しくなかった。いくら政治的な揶揄でもってメジャーを批判したって、結局は音楽で勝負できるかどうかである。若手に刺さるには、ほんの少しの時代と、雰囲気と、さりげなく思いを強くする情報があればよいのである。00年代、スローコア、Albini、その他もろもろ。そしてGYBEを好んでいた若手たちは、今や、おそらく、やれ桃色クローバーZや、やれでんぱ組INCやらにその気分の一致を見出すのであろう。歳を取るとはそういうことだ(何かを想定して述べているわけでは決してないのであしからず)。M3ではRob Mazurek(トランペット)をはじめ、ジャズ系の音色を足してさらに気分を高めてくれる。まるで自分が歴史の中心に居るかのような気分になれることだろう。しかしその歴史は、輝かしき状況を周囲に配置することによってのみ泥の勇者として成立する崇高さである。まったく気分じゃない。ちなみに、評判の高いのは前作の"Lift Your Skinny Fists like Antennas to Heaven"みたいなので、勉強家の方はそちらをどうぞ。