Led Zeppelin : Presence
ARTIST / Led Zeppelin
TITLE / Presence
LABEL / swan song
DATE / 1976
TITLE / Presence
LABEL / swan song
DATE / 1976
2328。以前紹介した盤"untitled (IV)"。振り返って、自分の音楽に対する価値観を変える可能性があったとすればLed Zeppelinぐらいかもしれない。欠けていた、あるいは聴くのが遅すぎた。これほど著名でありながら、僕が聴いてきた音楽にはLed Zeppelinはいなかった。たらればの話は無意味だけれど、後世の子どもたちに言えるとすれば、なるべく早く手を出すように。あるいは、大人たちの立場に立つならば、少しでも遠ざけるという判断もありうるかもしれない。それぐらいLed Zeppelinはすごいバンドだと思う。最初から、圧倒的に完成していたLed Zeppelinが放つ7枚目のスタジオ作が本作。メンバーはもちろんJimmy Page(ギター)、John Baldwin(ベース)、John Bonham(ドラム)、Robert Plant(ボーカル)。PageとPlantというダブルライティング体制のなかで、それぞれがセクシーすぎる演奏を聞かせてくれる。テンションは高く、グルーブはひねている。音もかっこいいし、構成も卓抜、コンセプトも素敵だ。本作のデザインを担当したヒプノシスは、Led Zeppelinの'power and force'と'presemce'を象徴するために、スリーブのジャケ写とその内部のイメージに、モノリスのようなオブジェクトを溶け込ませた。ジャケ写のテーブルに置かれている黒い物体がそれだ。まさにピークを迎えているバンドは、たった数週間という短い録音期間のなかで、本作を仕上げてたという。もう何でもこいの状態だったと思う。本作の冒頭を飾る'Achilles Last Stand'(邦題「アキレス最後の戦い」)は、後期の彼らを代表する1曲。10分を超える曲でありながら、なんとまあ飽きさせることなくたたきかけることだろうか。John Bonhamが最高である。ちなみにLed Zeppelinを敬愛するJim O'rourkeが自身のベストソングに上げているのが、「アキレス最後の戦い」である。僕はO'Rourke経由でLed Zeppelinを聴いているわけだ。なんということでしょう。それにしても、全編を通してPageのギターが主張しまくりながらも、巷の話では、本作がその最後であるとのこと。そういう意味でも、絶頂を極め、80年の解散まで残りわずかなLed Zeppelinにとっても、本作がある種の到達点なのかもしれない。傑作。