Mahavishnu Orchestra : Birds Of Fire
ARTIST / Mahavishnu Orchestra
TITLE / Birds Of Fire
LABEL / columbia
DATE / 1973
TITLE / Birds Of Fire
LABEL / columbia
DATE / 1973
2317。以前紹介した盤"The Inner Mounting Flame"。邦題はそのまま『火の鳥』。2nd。第一期Mahavishnu Orchestraの終焉であるわけだが、最高潮であり、一番売れた代名詞とも言うべき1枚になっている。M1から攻めてくるタイトル曲を配置し、時代が吹き荒れようとしている。リアルタイムを生きた人たちはたいそう興奮したに違いない。音楽は衰退しているのかもしれない。少なくともカロリーの面では。もはや、今は、ちょっと斜めに構えたお洒落感、ライフスタイル、その他多くの周縁によって、音楽は音楽であることをやめた。違うか。音楽のみに全てが注がれることは終わった。その大部分において。Milesの分脈からすでにJohn McLaughlinはギタリストとしての運命を与えられているわけだけど、彼が音楽への全力投球によって、この盤にこめたプレイは、発想や命題を超えていた。全ての曲をMaclaughlinが作り出したという。ジャズの構成でありながら、やっていることは、どこまでもキャッチーなプレイで、尽きることのないアイディアが凡百のバンドをあっさりと燃やし尽くしてしまう。なぞめいた身振りが生み出すグルーブーは、プログレと呼ぶにしてはありのままだと思う。決して未来的な広がりがあるわけではない。与えられた楽器が持つ力を信じ、それ以上に、バンドメンバーを信じ、ギターを弾く。ドラムが刻まれる。ベースがうねる。そうやって音楽が創られる。M5では、ピアノ、フラメンコギター。もうどうにでもしてくれという情熱は、音楽。本作を聴いてダサいなぁもうという感想は、まったき正当性を帯びる時代である。だからかつてのポピュラー音楽は終わったし、もう過去が鳴る以外にはない。今は新しいカルチャーが生まれている。それはそれで、いいじゃないか。その一方でMahavishnu Orchestraは未だに最高になり続けているということ、そしてそれはおそらくであるが、これから100年後も保証されているのだろう。名盤。