Charles Mingus : Oh Yeah
ARTIST / Charles Mingus
TITLE / Oh Yeah
LABEL / atlantic
DATE / 1962
TITLE / Oh Yeah
LABEL / atlantic
DATE / 1962
2315。以前紹介した盤"Mingus Ah Um"。重要盤が多いMingusですが、本作もタイトルどおりのご機嫌っぷりでフリーキーで祝祭的な輝きがあります。Doug Watkins(ベース)、Dannie Richmond(ドラム)、Roland Kirk(テナーサックス、フルートなどがちゃもの)、Booker Ervin(テナーサックス)、Jimmy Knepper(トロンボーン)、そしてCharles Mingus(ピアノ、ボーカル)。M1からMinusのアジってるような掛け声(豚の泣き声)がご機嫌な気持ちにさせてくれます。彼が演じるのは、楽器という枠を超えたブルースです。あれ、Mingusってピアニストだっけと、ちょっと立ち止まればすぐ気付くわけです。彼は本来はベーシストです。そんな彼が、ベースを後輩に託し、ピアノを弾き始めます。そして、魂をのせるようにこってりしたブルース・ボーカルを展開しています。それぞれの楽器は、その魂に寄り添うように、緊張感を持った演奏をしている。本作でもっとも長いM2ではRorand kirkとBooker Ervinがそれぞれソロを披露する。すでに絶頂期を迎えたバップの帝王であり、ボーカルを聞くと、その辺のロックよりも怒りと倦怠を携えているように思う。何でもありといえばなんでもありなんだろうけど、音楽への没入を考えたとき、その専門性からの離脱は音楽そのものの表象として、重要だと思う。もちろん、その対価として、Doug Watkinsはドキドキしながらベースを弾いたに違いない。何だか、Frank Zappaに接しているような感情がわいてくる。決してスマートではないが、ブルースで、ジャズで、何よりも音楽である。単なる面白さでは片付けられない魅力がある1枚となっている。