Squarepusher : Damogen Furies
ARTIST / Squarepusher
TITLE / Damogen Furies
LABEL / warp
DATE / 2015
TITLE / Damogen Furies
LABEL / warp
DATE / 2015
2302。以前紹介した盤"Do You Know Squarepusher"。2015年にもう一枚、ふさわしい1枚というか。ただし、この人の場合は、きちんとコンスタントに活動していたから、別に今年出そうが来年出そうが、大して意味はなかったかもしれない。ただ"Ultravisitor"ライクな自画像ジャケ。あるいは、それを一刀で歪ませることで、その自信をテレで隠しているような様子。タイトルの数的にはもう14枚くらいはフルで出している。もはや出す意味なんてないような枚数で、だからこそ、ちょっと前の" Music For Robots"では持ち運び不可能なロボット奏者をシミュレートして楽曲を演奏させたり、その前の"d'Demonstrator"では、もっと人力よりにバンドを演じてみたりと、色々やってみているわけですが、ここにきてまた直球でリズムと電子の可能性を追求している。それこそM1から疾走感を高めて勝負している。そして、決して美麗に逃げず、暴力的な重力で攻撃力を発揮している。ハードコアである。狭義のポップスとするには、ちょっと苛烈だ。この手の音楽が脳を整理するには最も良い程度に振り切れているから、すごく集中できるけれども、あまり好みでない人には長時間浴びていると疲れてしまうかもしれない。おなじみの早いフレージングは、さらに安易な展開をさけながら、不定形に展開し続ける。M3ではそのようなターンテーブルを操るかのような間でフレージングしている。かっこいい。ただしやっぱりハードコア。ロボットによる自動演奏から、本作では、全てワンテイクで編集なしということが前情報が広がっているために、本作をそのように位置づけることが必須となっているが、おそらくそれは文字通りのことではないだろうし、哲学にそった手法の解説だと思う。音のぶつかりを軽やかに乗り越えた複雑構成というよりも、わりとフレージング勝負しているのは確かだが。ライブをする、エレクトロニック・ミュージックでライブをする、という、ある種の不可能性をどのように解消するかに対する回答なのかもしれない。とりあえず難しく考えずに、どうぞ。