Jaco Pastorius : Word Of Mouth
ARTIST / Jaco Pastorius
TITLE / Word Of Mouth
LABEL / warner
DATE / 1981
TITLE / Word Of Mouth
LABEL / warner
DATE / 1981
2301。以前紹介した盤"S/T"。M1から何かしらがブーストされたかのようなベースワークですこと。Jaco Pastouriusが単独名義でリリースした2nd。まだWeather Reportのメンバーだったが、本作の翌年に脱退している。ビッグバンド形式ということで、メンバーもたくさんいるし、とても華やかな仕上がりになっている。80年代のサウンドプロダクトの悪癖というか、だささも垣間見えるが、それはそれ。たとえばM2。Weather ReportでJacoが作った曲のリメイクだが、壮絶にださ美メロ。これをやって許されるのはStievie Wonderだけだ。というか、強烈なたぎりを秘めたM1を除けばなんだかほがらかでクリアである。この辺がJaco Pastoriusのちゃんとしているところというか、それゆえ、コアに愛されないところなのかもしれない。いちおう、中核となる6人のメンバーをあげると、Jaco Pastorius(ベース)、Don Alias (パーカッション)、Randy Brecker (トランペット)、Peter Erskine (ドラム、ティンパ二)、Bobby Mintzer (サックス、バスクラリネット)、Othello Molineaux (スティールドラム)。そこに馬鹿みたいな数のホーンセクションが加わる。他にも遊びごころというか、バッハの「半音階的幻想曲とフーガBWV903」を出だしベースでぶりぶりとかっこよく、なぜか後半ややオリエンタルな鳴り物で仕上げたり。そこからThe Beatlesの'Bkackbird'のカバーへと突入したり。根本的には、多分、一気に音楽の技術的な世界が広がりを見せる時代背景っていうのが、この手の天才を惑わし、最先端に偽装した古びざるを得ない挑戦ってのに手を伸ばすようそそのかしているんだろう。M6のタイトル曲は、音こそややダサいけど、試みとしてはM1にまだ通じるものがあるフリーキーなたたずまいで今でもわりとかっこよく聴ける。そしてラスト。また牧歌的なホーンアレンジ。天才ベーシストが、ホーンアレンジなどなどでその才能を爆発させたという触れ込みではあるが、確かにすごく良く出来てるけど、とにかくダサい。ダサい。80年代特有のシンセがさらにその感覚を高めてくれる。垣間見れるどころの話ではなかった。それでも、30代後半と若くして草葉の陰に入った音楽家が残した数少ない1枚だから。ある程度は強く評価されても、別に文句はないし、これはこれで、聞き込まれれば良いと思う。どう間違ってもSquarepusherを期待するとかはなしだぜ。