Duke Ellington : Money Jungle
ARTIST / Duke Ellington
TITLE / Money Jungle
LABEL / united artists jazz / bluenote
DATE / 1963
TITLE / Money Jungle
LABEL / united artists jazz / bluenote
DATE / 1963
2297。名盤探訪。Ellingtonの名盤はこれでいいのかは知らないけど。演者はDuke Ellington(ピアノ)、Charles Mingus(ベース)、Max Roach(ドラム)と豪華だし、タイトルがいかす。Ellingtonは1899年!生まれ。それを考えたら、残りのMingus(1922年生まれ)もRoach(1924年)もまだまだ若手に属する部類。いやいや、両者ともほぼ40代だ。もう感性とかそんな抽象的な話でお茶を濁すような年代ではない。どんどん若手プレイヤーが出ているわけだ。それがジャズが脂ぎって、もうそろそろ乾燥しようかしらんという60年代に結実するという。あまったるいプレイをしても仕方ないって具合で、もう何だかアバンギャルドで混沌としている全体性を示している。もうあらゆるフレーズを弾きすぎてあきちまったという感じが漂っている。グルーブはのりのりなのに、決してリスナーを巻き込もうとしない。瞑想のような演奏である。そのほとんどがEllingtonによる作曲だが、有名なM6の"Caravan"でさえ、もう怒りにもにたたたきつける演奏で、強烈。きんきんしてる。じじいがやる音楽じゃねえ。ましてやかつては楽団を率いた親分が、いっぱしのプレイヤーとしてやるようなアジ利方ではない。大人になるなよという猛りが響いている。それに対して、すでに上も上のほうで、Ellingtonの昔話を嘘も真実もまぜこぜにしながら語る世代である。MingusもRoachもジャズ全盛の黄金世代のトッププレイヤーなのだ。たどたどしく、しかしそれが神格化ゆえの魔法なのか、巨人すぎる巨人による身振りの為せる技なのかわからないような技術でもって繰り出されるEllingtonのフレーズは、彼らをびびらせ、こわばったアンサンブルが最高の緊張として響いている。古くない。古びようとすることを拒絶する。今の音を鳴らすことができる。だってここは、マネージャングル。