Clifford Brown / Max Roach : S/T
ARTIST / Clifford Brown / Max Roach
TITLE / S/T
LABEL / emarcy
DATE / 1955
TITLE / S/T
LABEL / emarcy
DATE / 1955
2295。Lサイドによるレビューはこちら。名盤探訪。グラミーにも殿堂入りし、聴くべき100枚系の常連でもある本作。メンバーはClifford Brown(トランペット)、Max Roach(ドラム)、Harold Land(テナーサックス)、Richie Powell(ピアノ)、George Morrow(ベース)。このうち、CliffordとBud Powellの弟Richieは、同乗した自動車で1956年に事故死した。その悲劇的な、幕切れも本作の名盤具合を強くしている向きもあるだろう。Clifford Brownのメロウな旋律を高らかに吹き上げるセンスを中核にすえながら、それぞれのプレイヤーが渾然一体となり、うきうきしてくる演奏を披露している。ビバップが華やかな時代である。まだまだコード感のなかでそれぞれがアドリブの可能性を追求することができただろう。手法の安定とともに、伸びやかに、ドヤ感を廃したスタイルとして構築され、遊びなのかで完成された全体が見事だと感じられる。熱い。攻めてくる。それほどジャズに通じていない僕が形容するとすれば、『ルパン三世 カリオストロの城』における大野雄二バンドの演奏である。華やかで、空気をいっぺんさせ、マンネリを廃したスウィングでもってキャラクターを走らせる。本作で輝くM4'Daahound'などはその典型というか、ほぼ元ネタに近いグルーブがある。その意味で、Max Roacnのビートころがしってのも侮れない。これが僕が子どもの頃から知っている(空気のような、それゆえ意識的に接触していない)ジャズの展開である。遺伝子レベルかのように、たぎる。