Blur : The Magic Whip
ARTIST / Blur
TITLE / The Magic Whip
LABEL /parlophone
DATE / 2015
TITLE / The Magic Whip
LABEL /parlophone
DATE / 2015
2299。以前紹介した盤"S/T"。模糊による『魔鞭』。ださい。われわれには、Oasisよりも中産階級で結局うやむやなまま消え去ってしまったBlurのほうに愛着を覚えるわけだ。そんなBlurが帰ってきた。うれしい。ださうれしい。みなの知らないところで実は名作だった"Think Tank"から12年である。オリメンでは"13"以来。わらける。Graham Coxonは切り離されたと思いきや、なんとか2009年に無事バンドに復帰し、そしてお茶を濁すようにライブをし、ライブ盤をリリースしたりしていた。出し惜しみして、シングルをちらみせしたりもした。怠慢もいいところです。それでもだ、2009年のHyde Parkでのライブを見て、GrahamとDemonが並んでいるところを見たりして、泣かないではいられなかったという。その程度には彼らはレジェンドである。そして本当に謎の当たり年である2015年に、彼らは帰ってきた。メンバーは、Damon Albarn、Graham Coxon、Alex James、Dave Rowntree。いわゆるオリジナル・メンバーである。そしてDamonなんて47歳前後ですよ。たまらんな。ゲロ吐きそうですわ。寝ゲロですわ。彼らが成し遂げたイギリスから世界への侵略ってのは、もちろんかつてほど影響力はなくなったけれども、それでも多分幾分かはBlurが残した功績ないし、痕跡ってのは、後世に伝えられたのだろうか。「僕はBlurに憧れて音楽家になりました」なんてバンドは、第一線で存在するのだろうか。イギリスにはいるかもしれない。でも多分、そういう話ではない。Blurは結局、自己完結したオリジナリティなりで挑戦しすぎたから、もうあとにも先にもBlurしかいないような存在なんじゃないか。Damonの声と曲のつくり癖もあるけど。もちろん初期のような、能天気な底抜けイケメン旋律アイドルバンドとは違う。蓄積によって、何かしらサウンドメイキングが複雑になる(というのは、そりゃ飽きてしまいますからね)。直球でないこと、あるいはささる曲がないこと("Think Tank"でも個人的には'Battely In Your Leg'があった)から批判がでないわけではないと思う(いやいや、それは言い過ぎで、結構キャッチ-で渋い曲もあるよ。M7M8M9とかサビ感が強くて聴きやすいじゃないか。M11なんてほほえましさすらあるし。)その程度に、Blurが初期に達成した階数ってのは高かった。その勢いってのは、こんなおじさんバンドのこんなとがったつくりをしていても、登場での全英1位を達成させるぐらいである。"Parklife"以来6作ずっとらしい。すごいですよね。Grahamが思い立って本作を実現へと導いたという話だが、そこにはもうBlurは必要なくなったDamonのなんちゃってソロワークと、いやいやもう一回やろうぜ俺たちの青春を、なGrahamとの熱い、たぎる、まるでナラティブのような合意があったに違いない。もちろん他の良く知らないメンバーも、方やイケメン酪農家としてかたやおじいちゃん弁護士として、スタメンとして関与したことでしょう。もうむちゃくちゃなわけだけど、もうコレを出してくれたから、結構満足かなぁ。次10年後に、とかいわれても、さすがにみんなおじいちゃんだしね。これがぎりぎりラスト・ワークでも、別にファンは嘆かないでしょう。コンスタントに出すってタイプでもないでしょうし。ありがとうBlur。いつかライブ見るよ!