Jim Hall : Concierto
ARTIST / Jim Hall
TITLE / Concierto
LABEL /cti
DATE / 1975
TITLE / Concierto
LABEL /cti
DATE / 1975
2288。ジャズ名盤探訪が全然終わらない。飽きてきた。怒られるか。Jim Hallも、そういえばEvansとの"Undercurrent"持ってたよなと思ったらレビューしてない。なるほど、このブログを始める前に買ったEvans盤その他を全然レビューしてないではないか...。めんどくさい。それはさておき。本作は、大好きなJim Hallによるいわゆる名盤。Paul Desmond(アルト・サックス)、Chet Baker(トランペット)、Ron Carter(ベース)、Steve Gadd(ドラム)、Roland Hanna(ピアノ)という6人体制。表題はスペインの作曲家Joaquín Rodrigoのクラシック曲、いわゆる「アランフェス協奏曲」(まるで必殺仕事人であることでも有名な)に由来する。19分を超えるそのジャズ解釈がオリジナルのラストを飾るわけだが、CD盤になってからは、さらに5曲のボーたらがぶち込まれているからお得です。慎ましいギタープレイにあふれていて、どこで切ってもJim Hall、たまらない落ち着きと品位がある。もちろんそれはChet BakerやPaul Desmondによる抜群のソロも貢献しているわけだ。どこまでも終わらない気持ちよさの探求は、それぞれがあおりあいとは違う共同作業によって加速する。平和であるが、それゆえに最高にチーム感のあるジャズだと思う。ギターという、ジャズにおいてはマイナな楽器がメインを張るということの意味がここにあるように思うわけだ。つまり、ヒーローではないギタリストがヒーローになることにより、平和が保たれるという逆説。とりあえずCole Porter作曲によるM1''You'd Be So Nice To Come Home To'冒頭でJim Hallがいきなり到達する極上のフレージングを聴けば、本作の展開と、本作の結末と、そしてリスナー自身による沸きあがる必然の賞賛が、即座に理解できるに違いない。ジャケットは写真家Pete Turnerによる。クロスオーバーないしフュージョンないしイージーリスニングないしな分脈においてレーベルctiをおしゃれに演出した第一人者である。 Antonio Carlos Jobimの"Wave"やWes Montgomeryの"A Day In The Life"などなど、そのいかしたジャケ写によって、ジャズをある種の文化的な位置づけにとどめ続けることに成功したことはテストに出ます。